経営コンサルタントの傍ら、2度も断念した俳優への挑戦を続ける、名張市桔梗が丘4番町の福島達也さん(66)。現在NHKで放映している朝の連続ドラマ「まんぷく」にも端役ながら出演するなど、一歩一歩経験を積んでいる。【俳優の仕事について語る福島さん=名張市で】

 大学2年の時、先輩に誘われた大阪市内の飲食店で、脚本家として活躍する新野新さんと知り合った。それを機に、テレビ局やラジオ局の事務アシスタントを務め、俳優を目指すためのアドバイスを受けながら芸能界入りの足掛かりをつかんだ。

 ところが、母親が猛反対。俳優の道を断念して、卒業後は銀行に就職し、支店長も務めた。退職後は銀行での経験を生かし、経営コンサルタントとしての勉強を始めた。

 俳優への夢が再燃した62歳の時、名古屋市にある総合芸能学院の15期生としてオーディションに合格。テレビコマーシャルに出演するなどした。

 しかし、90歳を超える両親の介護のため、1年半で学院を辞め、4年前に名張へ帰郷。両親を看取った後、1年のブランクを経て、家族の応援を受けて昨年から3度目の俳優業を志した。

 芸能事務所には所属せず、フリーとしてオーディションに参加。エキストラ的な役回りから、昨年9月にはテレビ朝日の人気刑事ドラマ「遺留捜査」で初めてセリフ付きの社長役で出演した。同11月には、関西テレビの開局60周年記念ドラマ「やしきたかじん誕生物語 なめとんか」でコンサート舞台の観客役で出演した。【田舎侍に扮する福島さん(提供写真)

 また、今年全国公開される3本の映画にも出演し、3月2日に放映された「まんぷく」では食品会社社長を演じた。現在も、2020年公開予定の映画の撮影に参加している。

 「一生の間に別々の人生を2回経験するという意味の『一身二生』を目指しています。エキストラでいい、これからも体力の続く限り、ライフワークとしてやっていきたい」と話し、「今をときめく俳優さんの作品に少しでも参加できる満足感と、完成した作品が上映される楽しみと感動を味わえるのがだいご味。何をするにしても、人生を楽しみたい」と笑顔を見せた。

2019年3月9日743号2・3面から

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