東大寺二月堂(奈良市)の修二会(お水取り)で使うたいまつを運ぶ、伝統の「松明調進行事」が3月12日早朝からあり、名張市の「伊賀一ノ井松明講」(杉本陛講長)の講員や市民団体のメンバーら100人以上が、徒歩やバスなどで5架のたいまつを運んだ。【たいまつを担いで峠道を上る参加者=名張市安部田で】〈YouTubeで動画を見る〉

 午前6時すぎから極楽寺(同市赤目町一ノ井)で道中の無事を祈る法要を営んだ後、徒歩で出発。水田地帯を30分ほど歩き、宇陀川を渡った同市安部田からは、傾斜の急な未舗装の山道へと歩を進めた。参加者たちは前日までの雨で滑りやすくなった足元に気を取られながらも、重さ約30キロのたいまつを交替で担ぎ、県境の笠間峠を越えて奈良県へと入った。

 同8時30分すぎ、休憩場所の「音楽の森ふれあい館」(宇陀市室生上笠間)へ到着し、地元住民らのグループ「笠間の郷を思う会」からイノシシ汁やおにぎりの振る舞いでもてなしを受けた=写真2枚目。その後、バスや車に分乗して東大寺を目指した。

 行事に参加した近大高専サッカー部の冨永賢伸君(1年)は「700年続いているという行事に参加できて誇らしく思う。伝統を感じながら、楽しんでたいまつを担ぐことができた」と笑顔で話した。