伊賀市島ヶ原の観菩提寺正月堂で2月12日、春を呼ぶ伝統行事「修正会」の結願法要「おこない」があり、ほら貝や太鼓などの音が鳴り響くなか、たいまつを手にした僧侶らによる「達陀行法」が荒々しく繰り広げられた。【火のついたたいまつを振る火天役の僧侶=伊賀市島ヶ原で】〈YouTubeで動画を見る〉

 午後1時、太鼓の音を合図に僧侶と神職らが堂内へ入り、一連の行事に関わる7つの講の代表者(頭屋)と来年の頭屋(明頭)らが献香した。僧侶たちは「南無十一面観世音菩薩」と唱えながら板の上に体を投げ出す「五体投地」=写真2枚目=や、本尊を収めた厨子を杖で激しくたたいて回る「ほぞの木の驚覚」を行った。

 約1時間半の法要の終盤には数度、「乱声(らんじょう)」の合図とともに、「乱声衆」と呼ばれる人たちがほら貝や太鼓、鉦(かね)などをけたたましく鳴らした。最後に、火のついたたいまつを持った「火天」、水とサカキの枝を手にした「水天」に扮した僧侶が下駄を強く踏み鳴らしながら、厨子の周りを動き回った。堂内には煙が立ち込め、火の粉と水滴が飛び交っていた。

 同寺の住職を務めていた青山夏樹さんが1月中旬に81歳で亡くなり、今年は東京に在住する会社員の長男、直樹さん(52)が初めて行事に参加した。直樹さんは「習うつもりで参加させて頂いたが、歴史の重み、深みを感じた。まだまだ学ばないといけないが、先々は父の後を継げるよう、いろんな方に助けて頂きながら寺や伝統を守っていきたい」と話した。