「一人でも多く知ってほしい」

 ブラジルのクラブやJ1のFC東京などでプレーした、女子サッカー・伊賀FCくノ一コーチの林一章さん(42)がシリア難民の支援活動を続けている。今年1月には中東のレバノンにある難民キャンプを訪問し、内戦から隣国に逃れ必死に生きている子どもたちとサッカーボールを通じて交流した。【知り合った9歳のシリア人少年にくノ一から提供してもらった古いユニフォームを贈る林さん(右)=ベイルート近郊のシャティーラ難民キャンプで(林さん提供)】


 子どものころから世界地図を見るのが何よりも好きで、国連の活動にも興味があったという林さん。2007年にシリアであった国際協力機構(JICA)の活動を通じて青年海外協力隊員(当時)の田村雅文さん(39=桑名市出身)と知り合い、12年に田村さんが横浜市でシリア支援団体「サダーカ」を設立したのを機に協力している。

 レバノンで最初の訪問地は首都ベイルートの中心部から車で約10分のシャティーラ難民キャンプ。シリアとパレスチナの難民ら約2万3千人が、500㍍四方の地域にひしめき合うように建つ地上6、7階のコンクリート造り住宅で暮らしていた。

 次に赴いたのは、シリア難民約160人が生活する山岳地の小規模キャンプ。集まってきた13、14歳の子どもたちと岩場の広場でサッカーを楽しんだ。【岩場の広場でサッカーを楽しむ林さんら(同)】

 活動資金は林さんが主宰するNPO法人「津市スポーツアカデミー」のチャリティーフットサル大会が主で、13年8月から毎月1回、これまでに同市内の体育館で60回以上開いている。16年からヨルダン、エジプトのキャンプや病院に足を運び、帰国後は現地で見たことを小中高の講演会やSNSなどを通じて伝えてきた。

 今回の訪問を終え、林さんは「言葉は通じなくても、サッカーは世界共通。スポーツをすることで明日を生きる力になっているように感じた。そうであってほしいとも願っているし、一人でも多くの人に知ってもらえたら」と話す。