伊賀に春を呼ぶ行事として知られる観菩提寺正月堂(伊賀市島ヶ原)の「修正会」(県無形民俗文化財)で奉納する餅を作る「大餅つき行事」が2月9日あり、住民らが桜の木の千本ぎねを使って餅をついた。【千本ぎねで餅を高く掲げる「元頭村」の講員ら=伊賀市島ヶ原で】〈YouTubeで動画を見る〉

 修正会に携わるのは、「節句之頭(せきのと)」(講)と呼ばれる7つの集まりで、その一つ「元頭(えとう)村」では、現在ある4軒が講の代表「頭屋」を持ち回りで務め、餅つきの場所も交替で提供。昔ながらの千本ぎねでの餅つきを今も続けている。

 この日は午前9時前から、今年の頭屋、中井大さん(48)方で大餅つきがあり、講員ら十数人が計40キロ前後のもち米を蒸して順につき上げた。大餅は奉納時に正月堂内に積み重ねるため、5つの木桶に6キロから9キロずつ収め、直径30センチほどの円柱状に形を整えた。1回ずつつき上がるころには、つき手の講員たちが威勢良く「エトォー、エトォー」と声を上げ、餅を高く掲げていた。

 完成した大餅は、シュロや金時ニンジンなどで作った「節句盛」(鬼頭)、桜の枝に餅花などを付けた「成花」、「五枝の松」などとともに、11日の「練り込み」行事で正月堂へ奉納。翌12日には、堂内で僧侶がたいまつを振りかざす結願法要「おこない」がある。