「スマホを持った無意識の自分勝手な行動が、どんな迷惑や事故につながるか。自分たちも含め多くの人に気づいてほしい」。名張高校(名張市東町)の放送部員たちは昨夏、総務省が公募していた「インターネットの安全・安心についての動画フェスタ」に出品した1分43秒の映像に、そんな思いを込めた。【動画フェスタに応募した作品を紹介する辻さん(右)と米倉さん】

 毎年出品しているアジア地域の映画祭に向けた合宿のさなか、「自己責任」をテーマに、スマートフォンのマナーについての映像作品を撮ることに。衝突や事故につながる危険のある“歩きスマホ”を「自分たちもついやってしまうことがある。危ないことだと伝えたい」と、発案から撮影、編集までを1日で一気に終えた。

 作品は、飲み物とスマホを手にして廊下を歩く女子生徒が同級生とぶつかり、注意の言葉を掛けられる流れ。注意した同級生も、そのまま歩きながらスマホを手にするシーンは「そんな自分も周囲に迷惑をかけていないだろうか」という気づきのためだという。同フェスタで上位入賞はならなかったが、制作過程でインターネットリテラシーの向上に努めた団体奨励賞(全国13団体)に選ばれた。

 中心となって撮影・編集に携わった辻彩乃さん(2年)は「無意識にスマホを触っている人は多い。小さなことで済むか、大きな事故になるか。何か起きる前に自ら気づくことができたら」、自身の体験を基に原案を考え、出演もした米倉由季乃さん(同)は「社会全体ですぐ直せることではないけれど、まずは私たちが通う学校という身近なところから直していくきっかけにしたい」と話した。

2019年1月26日付740号19面から

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