身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。年が明けて1か月弱、体を動かしたいような、動かしたくないような寒さが続いています。今回は、伊賀市の高尾地区北部を巡る約7・2キロのコースを紹介します。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真:前深瀬川と床並川の合流点にある高尾の出合集落】

 伊賀市では明け方に氷点下2度前後まで気温が下がった1月14日。雲が多く、まだ肌寒い午前9時半に、旧高尾小学校の南隣にある高尾地区市民センターをスタートしました。多くの地域でこの週末(1月12から14日)に「どんど焼き」が行われるためか、しめ縄をつけたままの家が多かったです。

【地区市民センター前から川沿いに進む】

 中出の集落を過ぎると、若宮八幡神社と、北隣に観音寺があります。小さめの鳥居から入り、寺の急な石段で来た道へ戻りました。道路脇を流れる前深瀬川は澄んで奇麗ですが、水音は冷たそうです。

【岩の間を流れ落ちる黒渕の滝】

 白く大きな岩肌を目で追っていくと、「高尾名所 名瀑 黒渕の滝」と書かれた看板が目に入ってきました。落差は5㍍ほど、流れ落ちる水量は多く、その名の通り、滝つぼは黒っぽい深緑色をたたえています。思いがけず滝と遭遇し、あちこちカメラを向けました。

 県道から原池の集落内へ入ると、早くも軒先の梅がほころび始めています。ようやく日差しが強まってきたこともあり、少しだけ春が訪れたような気分になりました。原池集議所を過ぎると、山並みと青空のコントラストが気持ち良く映る風景が広がっていました。

【原池の高台から川沿いを望む】

 前深瀬川と、これから向かう方向から流れてくる床並川が合流する出合の集落へ。静かに流れる床波川に沿って坂を上っていきます。先ほどまでは背中に、今度は太陽に向かって歩くはずが、まだ深い山の向こうにいるようです。

 集落手前の橋の下に、何やら大きな球状のかたまりを発見。なんと、バレーボール大ほどの蜂の巣でした。季節が季節なら近付くと危なかったかもしれません。河岸の梅林はまだつぼみの手前でしょうか。坂と階段を上がり、床並の集落を望む萬松寺へたどり着きました。

【坂の上にある萬松寺から床並の集落を望む】

 境内の阿弥陀如来立像(石造)を眺めながらしばし休憩し、再び南へ。集議所裏には弓矢八幡宮跡の石碑が見えます。最奥にある数軒の民家を過ぎると、道は山の中へと続いていて、ほどなく逆柳の甌穴(血首ケ井戸)への道が右手に分かれました。

 根気強く坂を上がり、気持ちの良い青空をひととき眺めると、今度は下りに。簡易水道の施設まで来た時、目先で「ガサガサッ!」と、何かが茂みに入る音。鹿が2頭、急な斜面を駆け上がっていきました。そのすぐ先でも再び鹿が行く先を横切り、短時間に3頭も鹿を目撃しました。

【床並から中出への峠道。行く手に鹿が現れた】

 足元を気にしながら急な下り坂を進み、明るくなってくると中出の集落が見えてきます。田んぼに張った氷は、日陰ではまだ残っています。出発から2時間余り、午前11時40分に市民センターへ戻りました。歩数計は8597歩でした。

 しばらく寒さは続きそうですが、寒い時こそ体を動かしたいものです。家の周りを歩くも良し、少し出掛けて見所を巡るも良し。それぞれの楽しみ方を見つけてみてください。