「音楽と生活。切り離さず続けていきたい」。名張市鴻之台の森岡文哉さん(27)は、夫の真太さん(32)と喫茶店を営みながら、学生時代に結成したロックバンドのボーカル「ふみか」として音楽活動を続けている。【昨年のライブで歌う森岡さん(撮影・キノシタマリさん)=奈良市で】

 中学3年からギターを始め、名張高校時代には同級生とバンドを組み、学園祭で披露した。大阪の音楽専門学校に進学後、知り合った4人と2010年に「the PARTYS(ザ・パーティーズ)」を結成、奈良市のライブハウスを拠点に活動を開始。翌年、「音楽の甲子園」とも呼ばれる10代限定のロックフェスの西日本大会で注目を集めた。

 以来、メジャーデビューを目指して各地でライブ活動を続け、CD5枚をリリースし、14年には初めて全国に流通した。しかし、メジャーにはなかなか手が届かず、「このままどうなるのか」と不安を感じたという。

 転機は3年前。バンドのミュージックビデオ制作などを手掛けた真太さんと結婚。喫茶店を開くという夫の夢に、森岡さんも協力する決意をした。菓子作りを独学し、さまざまな店を巡って研究。そして昨年春、念願の喫茶店「点珈琲店」(名張市赤目町丈六)を開業した。

 開業準備を進めるなか、バンド活動は停滞した。「音楽を続けたい」と思う反面、「中途半端な気持ちでは、メンバーに迷惑をかけてしまう。趣味だと思うなら、やめた方がいいのでは」と葛藤した。

 揺れる思いのなか、バンド仲間に誘われ、昨年9月、1年半ぶりのライブに立った。その後「音楽はやめられない。店の仕事も続けながら、メンバーたちと活動を続けていこう」と考えるようになったという。【店で菓子を並べる森岡さん=名張市赤目町丈六で】

 昨秋にも名張市青蓮寺での音楽イベントに初参加し、地元で高校生以来となる歌声を披露。現在は音楽イベントを市内で開催する計画を立てているという。

 以前とは違う新たな心境に至ったという森岡さんは「私の道は、1つだけじゃないと気付いた。音楽も今の生活も、愛し続けたい」と話した。

 2月9日には、奈良市にある「奈良ネバーランド」でのライブに同バンドがゲスト出演する。

 問い合わせは点珈琲店(0595・74・0450)へ。

2019年1月26日740号1面から