身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。2019年の最初は、伊賀市のJR関西線・佐那具駅を発着点に、その北側と東側を巡る約6・8キロのコースを紹介します。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真:石立寺近くにある磨崖仏】

 寒さが厳しくなりだした年末、晴天のタイミングを狙って出掛けました。12月25日、午前11時に佐那具駅前をスタート。晴れてはいますが、空は全体的に雲が多い印象です。駅前の道は細く、行き交う車を避けながら線路沿いに東へ向かいます。

【佐那具駅東方の鉄道橋を下から眺める】

 柘植川に架かる佐那具橋の先を北に折れると、橋脚がれんがでできた鉄道橋をくぐります。列車が通るタイミングなら、相当な臨場感が味わえたのではないでしょうか。川伝いに坂を上り、杉木立の間を通っていくと、頭上から小鳥のさえずりが聞こえてきました。

【阿山ハイツの住宅地の南端】

 出発から15分ほどで阿山ハイツの住宅地に入り、小さいながらも奇麗に並んだハボタンとパンジーが出迎えてくれました。ゴルフ場方面への道を進んで北に折れ、団地を見渡しながら坂を上っていくと、突き当りに引接寺と川合の大江公民館がありました。

【林の中に静かにたたずむ石立寺】

 その裏手の苔むした坂を少し上ったところに、正面に古めかしい木造の寺院(石立寺)、左手に磨崖仏(市文化財)があります。白い岩に六地蔵などが彫られた磨崖仏から眺める風景と、物音がほとんどしない空間に、どこか昔の森の中に迷い込んだような錯覚を覚えました。

 元の道へ戻り、今度は河合川の方面へ下ります。背後から吹き抜ける風が強く、運ばれてくる落葉に追い掛けられているような気がしました。道幅の細い下出橋を渡り、南に折れると未舗装の田んぼ道に。円徳院の集落越しに、一之宮の南宮山や佐那具の工業団地を見ながら歩を進めます。

【柘植川右岸の桜並木越しに霊山方面を望む】

 踏切を渡り、国道25号を横断。畑には、収穫時期を逃してしまったのか、人の頭ほどに大きくなったハクサイがいくつか並んでいました。柘植川右岸の桜並木は、今はもちろん枝だけですが、春には見応えのある風景となっているはずです。

【柘植川にかかる細い橋を渡り、来た方角を振り返る】

 ゲートボール場の東から細い橋を渡り、竹やぶを抜けると西之澤の集落へ。やや広い道を川に沿って西へ向かいます。出発したころは多かった雲もほとんどなくなり、進行方向にある工業団地の上には気持ちの良い青空が広がっていました。

 再び国道を渡って工場や倉庫の間を抜け、家々の間を抜ける街道筋を行きます。ところどころ折れ曲がった箇所ですれ違う車や自転車を避けながら、駅へと続く新橋を渡り、出発から2時間後の午前11時ごろに佐那具駅へ戻ってきました。歩数計は9920歩、1万歩まであと少しでした。

 今年も伊賀地域のさまざまな場所を歩き、季節によって異なるさまざまな風景や意外な表情を、少しでもお伝えできればと思っています。