伊賀市現庁舎の複合施設化に反対していた市議の地元地区で進めている道路改良事業の話を持ち出し、翌日に採決を控えた予算案への支持を働きかけたとされる問題で、岡本栄市長が11月29日、市議会議員全員協議会に出席し「一般的な話で例示しただけ」と発言は認めたが、働きかけの意図は否定した。【議員全員協に出席した岡本市長(左から3人目)=伊賀市役所で】

 予算案に反対していた上田宗久市議と岡本市長が面会したのは9月定例会最終日前日。上田市議提出の録音データを基にした資料によると、岡本市長が道路工事の話を取り上げた上で「しっかりご支持頂きたい。(予算案が)通らないと、優先順位を変えていかなければならないことになってくる」などと発言していた。

 議員から面会目的について聞かれた岡本市長は「庁舎の話をしたくてお伺いをした。重要な案件なのでしっかりご理解頂けたらとお願いにいった」と説明。面会の約束を取るための電話で「議案を通さなければ(道路工事が)止まることもある」と伝えたとされる総務部秘書・調整担当の山本幸一郎理事は「やり取りのなかで(上田議員に)少し勘違い、取り違いがあったと思う」と答えた。

 説明を聞いた議員からは「それぞれの議員と話し合いを持つのはいいことだと思うが、(今回の件は)交換条件に見えることを問題視している」と更に市長側を追及する意見の他、「歴代市長の時も山ほどあった。全員協で話をすることではない」と市長側を擁護するような声も出た。市議会では今後、一般質問など議員個人で対応する。

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