11月24日に都内で開かれる「第66回全国高校定時制通信制生徒生活体験発表会」に、上野高校定時制4年の西島楓夏さん(19)=名張市箕曲中村=が県代表として出場する。伊賀市役所を22日に訪問し、岡本栄市長に報告した。【県知事賞で表彰されたときの様子を説明する西島さん=伊賀市で】

 全国の定時制や通信制で学ぶ生徒が学校生活を通して感じ、学んだ貴重な体験を発表する同大会には58人が出場する。今月3日に県大会があり、西島さんは「心の声」というタイトルでスピーチし、最高位の県知事賞に選ばれた。

 西島さんは普段、名張市内の施設で非常勤介護職員として働きながら高校生活を送っている。両親の離婚や、度重なる転居、いじめなどで小中学生のときは不登校になったが、「『やり直したい、変わりたい』という心の声を実現する最後のチャンス」と考え、上野高定時制への進学を決めたという。

 もともと人前に立つのが苦手だったが、入学後は教諭や仲間らの後押しもあって文化祭実行委員や生徒会の会長を経験。クラブ活動では立ち上げたイラスト部の部長も務め、今年春の「伊賀上野NINJAフェスタ」の期間中には校内に無料休憩所を設けて観光客らをもてなした。

 今の夢は介護士になることだ。西島さんは「全国大会では県と伊賀の代表として頑張ってきたい」と抱負を話し、岡本市長は「自分の体験を自分の言葉で伝えたことが皆さんの心に訴えたのだろう。自身のためにしっかりとした未来を打ち立ててほしい」とエールを送った。

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