「庭の鉢を見ると、チョウのようなものが……。アサギマダラだ!」宇陀市榛原天満台東の澤田雄三さん(76)方に咲く1鉢のフジバカマの花に、海を渡るチョウ・アサギマダラが1匹飛来。興奮の中、思いがけない来訪者を撮影した。【花の蜜を吸うアサギマダラ(澤田さん撮影)】

たった1鉢の花に 宇陀市榛原天満台・澤田さん方

 澤田さんは若いころから植物が好きで、花や野菜などを栽培。アサギマダラが好むフジバカマの花にも以前から興味を持っていた。

 昨年10月下旬、アサギマダラの飛来を取り上げたYOUの記事を見て津市美杉町太郎生を訪れたが、時期が遅かったためか見ることができなかった。気を取り直し、スーパーで購入したフジバカマを育て始めた。春に出芽し、夏の間に約1㍍の高さに成長。夏の終わりにたくさんのつぼみが付き、10月初めに開花した。【1鉢のフジバカマの前でカメラを構える澤田さん】

 アサギマダラが飛来したのは10月10日の午前のこと。澤田さんが一人で居間にいる時だった。「本当に来るとは……」

 アサギマダラは近年、観光資源としても注目され、各地で飛来を期待しフジバカマの花を植える動きがある。しかし、花畑として広い面積で栽培するのとは違い、澤田さんの庭にあるのは1鉢のみ。「どうやって見つけたのだろう」と首をかしげる。

 飛来したアサギマダラはその1匹のみだったが、とてもうれしかったそうで「来年は3鉢に増やしてみよう」と意気込んでいる。

 

複数が飛び回る 名張市つつじが丘・中村さん方

 名張市つつじが丘北1番町の中村登美枝さん方の庭園にも10月上旬以降、昨年に続いて今年も複数のアサギマダラが飛来した。
 自宅でたくさんの植物を育てており、数年前にはアサギマダラが好むというフジバカマを植えた。今年はつがいのように2匹、3匹とやって来ては優雅に飛び回っている。
 中村さんは「来年も来てくれたらうれしい」と笑ってアサギマダラを見つめていた。

 

 〈メモ〉アサギマダラはタテハチョウ科の一種。半透明の水色の羽が特徴。フジバカマなどキク科の植物の蜜を好む。長距離の移動をすることが知られる。

2018年11月10日付735号1面から

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