名張市立病院(名張市百合が丘西1)は11月13日、2017年度のヒヤリ・ハットと医療事故を公表した。患者へ影響がなかったヒヤリ・ハットは758件(前年度比146件減)、検査や処置が必要となった医療事故が25件(同21件減)だった。【ヒヤリ・ハットの内容について説明する市立病院事務局職員ら=名張市百合が丘西1で】

 公表は04年から行われており、今年で14回目。間違いが発生したが、患者には実施されなかったレベル0から事故が原因で死亡に至ったレベル5まででランク分けがされている。同病院ではレベル0が209件(同178件減)、レベル1が549件(同33件増)、レベル2が24件(同10件減)、レベル3が1件(同11件減)で、レベル4や5の発生はなかった。

 病院事務局によると、院内でのヒヤリ・ハット、医療事故ともに、転倒やチューブの抜去、誤薬で半数を占めており、転倒と誤薬の件数が16年度より減ったことにより、全体の件数が減少したのではないかという。

 また、患者への影響はなかったものの、なんらかの間違った処置などを行ったレベル1の件数が過去最多となったことについては、「影響がなかったとしても、間違ったことは報告するという意識が付いてきたと思う。事例を挙げ、対策などを考えることにもつながる」と話した。

 ヒヤリ・ハットの具体例としては、入院患者が装着するリストバンドを装着せず検査室に案内したものや、レントゲン撮影時に左右を間違える誤検査などがあった。医療事故では、入院患者のベッドからの転落や見舞いに来た人の院内での転倒があったが、いずれも命に別条はなかった。

 事務局では「今後、発生しないため日々検討をしている結果、全体では件数が減少したと思う。チームで現状を理解し合い、チームで取り組んでいくことが重要」と話し、「これから認知機能の落ちてきた患者さんも増えてくると考えられる。家族の理解や協力も大切になってくる」という。

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