伊賀労働基準監督署が主催する、製造業での労働災害減少に向けた体感型の講習会が、このほど名張市蔵持町芝出のLIXIL名張工場で開かれ、伊賀地域の製造業社27社の安全管理者など31人が参加した。参加者は同工場内に設置している安全教育施設での体感型講習も受講した。【ドリルの巻き込みを軍手で確認する参加者=名張市蔵持町芝出で】

 講習会では、同監督署管内の労働災害状況などが説明された後、参加者たちが2班に分かれて中央労働災害防止協会中部安全衛生サービスセンターの安全管理士による、機械による「はさまれ・巻き込まれ」災害防止についての講話を聴講。更に危険体験設備での体感教育と工場内を見学しながらの労災防止の取り組みなどを学んだ。

 なかでも体感教育では、ベルトやドリルでの巻き込まれを実体験する試験機を使い、機械を扱う時の危険性などを学んだ。また工場内の安全への取り組みの説明にも、参加者たちは興味深げに聴いていた。

 伊賀市内にある食品製造業の安全管理者は「従業員目線で考え、思いやることが安全の根っこになると思った。ヒントはたくさんあった」と話した。

 同監督署によると、今年9月末までの休業4日以上の負傷者数は149人で、そのうち製造業では65人。2017年には同署管内ではさまれ・巻き込まれによる死亡災害も発生している。

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