女子サッカー・なでしこリーグ2部の伊賀FCくノ一が、目標だった優勝と1年での1部復帰を果たした。6年ぶりに指揮する大嶽直人監督(50)の下、「奪ってからの速攻」というスタイルでリーグ杯2部と国体の3冠も達成した。チームのチャレンジを振り返る。〈第1回〉

最年長のFW小川 献身的プレーでチームけん引

 1部で戦った昨季は、通算戦績が2勝3分13敗の10チーム中最下位。半数のメンバーが移籍や引退で離れるなか、残った最年長のFW小川志保選手(29)=写真=は献身的なプレーでチームをけん引した。

 2年前は18試合全てに先発したが、若手起用に舵を切った昨季は先発が1試合で、出場総時間は6試合の計112分だった。当時の心境について「出られなくても腐らずにやっていたが、苦しむチームの力になれず悔しかった。自分の実力不足。いい意味で開き直って、残ったチームメートと新たメンバーと一緒に再スタートしようと思った」と振り返る。

 持ち味は労を惜しまない豊富な運動量だ。今季は開幕戦から17節(10月20日)まで全て先発。前線の位置から全力疾走でボール奪取に向かう「守から攻」へのスイッチ役を担った。最後尾から見守るGK井指楓選手(26)は「しんどいときでもやり切る。そんな姿に皆がついていっている」と、ひたむきなプレーに若手が受ける影響も大きいと話す。

 10月20日のホーム最終戦は自らの決勝ゴールでチームが13勝目を挙げた。「シンプルに球を奪って前に動かす今のスタイルが合っている。以前なら自分のためという思いが強かったが、今はチームのためなら点が決められなくてもいい。2度でも3度でも泥臭く追い掛ける」。既に思い描くのは2季ぶりとなるトップリーグの舞台だ。「すごく団結できた1年だった。1部でもやれる自信がある。楽しみで仕方がない」

2018年10月27日付734号18面から