放送部などで活動する高校生が作品制作やアナウンスなどを競う「NHK杯全国高校放送コンテスト」のテレビドキュメント部門で、桜丘高校(伊賀市下神戸)放送部が制作した「ヤングケアラー?高校生の葛藤?」が優勝に輝いた。【優勝トロフィーや症状を手にする放送部のメンバー=伊賀市下神戸で】

 ヤングケアラーは、障害や病気などを抱える家族のケアをしている若者のこと。作品では関東に住む男子高校生など3人を取材し、8分間の映像にまとめた。

 制作したのは相原明日香さん(3年)、藤井智代さん(2年)、部長の小田文太郎君(同)の3人。ヤングケアラーに小田君が着目し、2人もSNSなどで実態を知って学び、「番組として制作し、広めたい」と賛同したのが始まり。

 3月から本格的に取り組み始め、SNSを頼りに取材対象者を探したが、見つけるのは困難を極めた。専門家に接触するなど、ようやく取材を受けてくれた3人を、ゴールデンウィークに取材、1か月ほどで映像を完成させた。

 6月に津市内であった県大会では「未来にきっと」の作品名で挑戦。最優秀賞は逃がしたものの優秀賞の3校に選ばれ、全国への出場を決めた。「最優秀を逃がしたのが悔しくて、大会後に何がだめだったか研究した」という3人。再編集してタイトルも変更した改訂作品で7月の全国大会に臨んだ。

 結果、全国から集まった191作品の頂点に立つ優勝という初の栄光を手に。道のりが厳しかっただけに大泣きして喜んだそうだ。

 「優勝はうれしいが、まだ終わった気はしない」と相原さん。「何気ない行動や言動が人を傷つけていることがある。それを解決しないと社会は変わらない、という課題を追究できたら」と語る。

 優勝作品は大会の公式ホームページで視聴できる予定で、3人は「ぜひ、見てほしい」と目を輝かせた。

2018年8月11日付729号1面から