伊賀市消防本部は6月29日、迅速な初期消火活動で枯草火災から民家への延焼を防いだ住民らに感謝状を贈った。久保安治消防長は「大きな被害にならず、小さな火災に留めて頂いた」と礼を述べた。【感謝状を受け取る藤井さん(中央)と(後列左から)曽我部さん、加藤さん、松本さん、南出さん=伊賀市緑ケ丘東町で】

 枯草火災は4月2日午後0時18分ごろ、同市東高倉の住宅団地空き地約250平方メートルで発生。現場のそばに住む主婦の藤井道代さん(79)と遊びに来ていた近所の主婦、南出愛子さん(75)が発見し、その後自宅から駆け付けたレストラン従業員の曽我部粹さん(68)と左官業の加藤正幸さん(45)、加藤さんの元で働いている奈良県宇陀市の松本礼斗さん(24)の5人が消火栓を使ってほぼ消し止めた。

 自宅の散水ホースで火を消そうとしたという藤井さんは「2人とも一生懸命だった。近所の人が119番通報してくれた」と振り返り、松本さんは「(左官の)弟子入りした初日に起きた火事だった。役に立てて良かった」と話した。

 同本部によると、管内で発生した枯草火災は昨年1年間で20件だったのに対し、今年は5月末までに35件と増加。その中には建物に燃え移ったケースもあるという。

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