お世話になった絵の恩師に恩返しがしたいと、似顔絵やイラストを描き始めた、伊賀市小田町の主婦、神村久仁江さん(35)。人柄がにじみ出る“優しい絵”が人気を呼んでいる。【イラストを描き進める神村さん=伊賀市小田町で】

 小さいころからよく絵を描いていたといい、高校卒業後はデザインの専門学校に進学し、特に講師のラッキー植松さんと田中友美子さんの2人を恩師と慕った。2002年に卒業したが、結婚や出産などで10年近く制作から遠ざかっていたという。

 3年ほど前、田中さんの訃報をきっかけに、再びペンを手にする。友だちの似顔絵やイラストを描き、喜んでくれる姿がうれしくて、やる気に火がつき、本格的に制作活動を始めた。

 神村さんの作品は、色鉛筆やカラーマーカーなどを使い、明るい色を多用する。ウエディングボードや、古希、退職、誕生祝いの絵など、依頼はどんどん増えていった。

 また、みどり保育園(同市上野車坂町)に併設する障害児の療育専門施設「かしのみ園」の子どもたちに、視覚で喜んでもらえるよう童謡を絵本にし、数冊を仕上げた。童謡の歌詞に沿って目で見て楽しめるよう心掛けたという。

 家族の作品への評価は「辛口」だというが、「活動は応援してくれているのでありがたい」。家事や子育ての空き時間に仕上げるため、寝るのを忘れることもあるそうだ。

 「喜んでもらうことが最大の活力になる」という神村さんは「描いている時が一番幸せ」と、今日もペンを動かしている。

2018年6月9日付725号3面から