三重県を中心に東海4県で7月26日から始まる「全国高校総合体育大会」の男子サッカー競技の県予選で、伊賀白鳳、近大高専、上野の伊賀地域3校がブロック予選を勝ち上がってベスト4に進出した。県予選を2連覇している三重(松阪市)を加えた4校は、5月19日からの決勝リーグに臨んでいる。例年、県代表は1校だが、今年は開催県枠も含め2校が代表となるため、1981年の上野工(現・伊賀白鳳)以来37年ぶりに伊賀地域からの出場が決まった。大舞台への切符を射止めるのはどのチームか。各校のプレースタイルや意気込みなどを紹介する。【伊賀白鳳高校サッカー部の選手たち=伊賀市緑ケ丘西町で】

県4強に3校

 19日の決勝リーグ第1節で、近大高専は後半7分にPKで挙げた1点を守り切り、1‐0で上野に勝利。伊賀白鳳は三重を相手に先制するも2‐2で前後半70分を終え、PK戦を5‐6で落とした。第2節は26日、第3節は27日に伊勢市朝熊町の伊勢フットボールヴィレッジで行われる。

 過去52回行われた高校総体男子サッカー競技に、これまで伊賀地域からは3校が計12回出場。1967年と、前回の三重開催だった73年に出場した名張(名張市東町)は、49チームが参加した今年の県予選で、トーナメント制のブロック予選決勝で三重に敗れた。

 

波に乗り強豪撃破「100%の力出して」 伊賀白鳳

 伊賀白鳳(伊賀市緑ヶ丘西町)は前身の上野工時代、1966年から81年までに計6回出場し、69年と72年はベスト8に進出。上野工、上野商、上野農の3校が統合して現校名となった2009年には県予選でベスト4に駒を進めている。昨年の県予選ではベスト8入りし、今年は2回戦で県内屈指の強豪・四日市中央工にPK戦で勝利するなど波に乗っている。

 監督を務める下田祐輔教諭(27)は「今年の3年生は三重での高校総体に出ることを目標にやってきた」と話す。チームは堅守速攻で粘り強い守りが特徴で、「相手がいる競技だが、自分たちの力を100%出せたら」と選手を鼓舞する。

 主将の三井錬君(3年)は、県内で行われる大きな大会出場に向け、「同じ高校生に負けたくない」と冷静に臨む。「自分たちはまだ王者ではない。王者になるための立ち居振る舞いと日々のトレーニングで優勝したい」と意気込んでいる。

一気に駆け抜けて

 81年の神奈川総体に上野工の主将として出場した、パナソニック社員で小中学生のサッカークラブチーム「FC Sword大阪」(藤井寺市)の代表も務める廣岡成典さん(55)は、後輩部員に向け「三重の王者目指して一気に駆け抜けてほしい。古豪完全復活の知らせを心より待ち望んでいます」とエールを送った。

高専初の代表校目指す パスサッカーで歴史刻む 近大高専

 1962年の創立以来初、また高等専門学校として初出場を目指すのが、近畿大学工業専門学校(名張市春日丘7番町)だ。一生懸命にひたむきに、持ち味のパスサッカーで歴史に名を刻めるか。

 部員は46人。目立つ存在がいるわけではないものの、主将でGKの黒川純誉君ら17人いる3年生を中心に、一人ひとりが役割を果たすことを心掛ける。県総体では2014、16年にベスト4を経験し、今年の県総体もグループ予選3試合で7得点、失点1と安定した勝ち上がりをみせた。

 黒川君は「チームで戦う意識が浸透してきたと思う。高専としても学校としても初の総体出場を決めたい」、顧問の亀井俊彦講師(34)は「地元を代表して戦うという良い緊張感の中で戦えている。思い切ったプレーを心掛けてほしい」と話した。

学校や地元有名に

 14年の県総体でベスト4に入った当時のメンバーだった、名張市出身で近畿大学4年の山田哲也さん(21)は、現在は関西学生リーグ1部でプレー。「三重開催なので地元の人たちも見てくれる。学校や地元を有名にするということも目標に、思い切ったプレーで代表を目指してほしい」と話した。

39年ぶりの大舞台へ 強豪2校下し快進撃 上野

 39年ぶり5回目の出場を目指す古豪・上野(伊賀市上野丸之内)は、守備からペースをつかむ粘り強さを武器に、予選では強豪2校を立て続けに破る快進撃をみせた。挑戦者意識忘れず、久々の大舞台へ向けて準備を整えている。

 県総体ブロック予選の3、4回戦では、上位の常連・海星(四日市市)、宇治山田商(伊勢市)をともに2対0で撃破。同予選4試合では計1失点と堅守が光り、主将の西川佳希君(3年)は「試合を重ねるごとにチームが一体となってきた」と手応えをつかんでいる。

 3年生は進学などを控え、今大会を最後に引退していく生徒もいるため、〝皆で戦える最後の大会〟として、その思いに懸ける一体感も武器となりそうだ。西川君は「守備から相手のすきを突いて自分たち流れに持っていくチームのスタイルを出せれば。まずは初戦を取りたい」と気を引き締めた。

 指導する奥井達司教諭(53)は「学校や伊賀地域の未来ために、大きな結果とインパクトを残したい。できれば伊賀から2校が代表となることで、少しでもサッカーに取り組める環境を良くしていければ」と期待を込めた。

集中力発揮して

 滋賀県で開催された79年の高校総体出場時に主将だった三重銀行上野支店長の町野昌年さん(56)は「文武両道で練習時間も限られていると思うが、集中力を発揮して最後の一戦で悔いのない試合をしてほしい」と後輩たちの活躍を期待した。

2018年5月26日付 724号20・21面から