伊賀ゆかりの作家、横光利一(1898‐1947)が通った旧制第三中学校の後身で三重県立上野高校の同窓会が、生誕120年を記念した冊子「横光利一と“ふるさと”伊賀」を刊行した。【発刊した冊子を手にする福田さん=伊賀市役所で】

 横光は小学校時代、母の実家があった伊賀市野村で過ごし、中学は同市上野忍町の下宿先から通った。自伝的小説「雪解」には中学時代の淡い恋物語が描かれている。

 冊子はA5判で、61ページのうち約3分の一は横光が「ふるさと伊賀」について雑誌などに寄稿した「わか郷土賛 伊賀の国」などエッセー3篇と阿山高等女学校(現上野高)の講演録を紹介。横光と伊賀について考察した同窓会員ら7人のエッセーなど12篇も収録している。

 編集者の一人で同市四十九町の福田和幸さん(70)は「小中時代を過ごした伊賀をふるさとだと思い、生涯愛していた横光のことを知ってもらえたら」と話した。1冊500円(税抜き)で、伊賀市内の主要書店で販売している。

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