伊賀署は5月14日、特殊詐欺被害の未然防止で伊賀市内のコンビニエンスストアと、対応したアルバイトの女性店員に感謝状を贈った。同店では昨年12月にも別の店員が特殊詐欺に遭いそうな客への適切な声掛けで被害を防いでいる。【感謝状を受け取る垣尾さん(中央)と藤本店長(左)=伊賀市四十九町で】
同署などによると、4月11日午後4時30分ごろ、市内の50代女性が「アマゾンギフトカードを購入したい」と同市馬田のファミリーマート伊賀阿山店(藤本令子店長)に来店。対応したアルバイト店員の垣尾友佳里さん(19)が購入理由などを聞いたところ、詐欺に遭っているのではと不審に感じ、店長に相談して警察に通報した。
犯行の手口はインターネット通販大手「Amazon」をかたった携帯電話のショートメールで「登録料金が未納です。連絡がなければ法的措置に移行します」などと書かれたメッセージと電話番号を送り、連絡してきた人にコンビニ店などで電子マネーを購入させた上、裏面の番号を教えさせるというもの。女性は実際に同社で本やCDを買ったことがあり、信用してしまったという。
同店では昨年10月に、購入させた電子マネーの番号を聞き出して金をだまし取る架空請求詐欺が全国で多発していることを受け、ロールプレイング方式の声掛け訓練を実施。地域住民や店員が参加し、伊賀署員からアドバイスを受けていた。
垣尾さんは贈呈式で「15万円分と高額で、あまり買い物したことないのに年会費がかかっていたと話していて、Amazonのことをそんなに知らなそうだった」と振り返り、川上公二署長は「気が付かなかったらスルーしていた。意識を持って頂くことが大事。感覚が素晴らしい」と感心し、同店が再び詐欺被害を防いだことに感謝していた。
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