各地で田植えも始まり、すっかり初夏の陽気となってきました。今回は、伊賀市北東部に位置するJR柘植駅周辺を巡る約7キロのコースです。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 柘植地区市民センター付近から烏山方面を望む道】

 1890(明治23)年2月、官営鉄道と四日市とを結ぶ路線として関西鉄道の三雲‐柘植間が開通、柘植は県内最初の鉄道駅として開業しました。そんな柘植駅を訪ねたのは4月16日。午前9時すぎに駅前をスタートしました。空は快晴に近い晴れです。

 まず加太方面への線路沿いに歩くと、何本もの線路をまたぐ細くて長い踏切へ。駅には草津線の電車が止まり、ちょうど関西線のディーゼルカーもやってきました。踏切を渡って線路沿いを北へ進み、小さな団地を抜けて工場脇の十字路で未舗装の道に入ると、その先には「転車台」の跡があります。

【柘植駅北方にある転車台は雑草に埋もれていた】

 柘植駅を通る国鉄(現JR)関西線では1973(昭和48)年まで蒸気機関車が活躍していたそうで、機関車の向きを変えるための転車台はその面影をとどめる証しの一つ。すっかり雑草に埋もれてしまい、この日もさび色がちらっと見えるだけでした。肝心の転車台を確認できなかった代わりなのか、ひらひらと桜の花びらが何枚か舞っていました。

 来た道に戻り、今度は駅方面への下り。この辺りは東海自然歩道の一部になっていて、余野公園への案内看板も出てきます。近くの田には既に水が入り、代かきをしているトラクターが見えました。
 再び踏切を渡り、柘植町の岡鼻集落を東へ。掲示板には地区内のウォーキングマップが貼られていました。季節がら、軒先で咲く色とりどりの花が目を楽しませてくれます。

 国道25号の交差点を右折し、名阪伊賀インター方面へと向きます。名阪国道のすぐ脇を歩くことは少ないので、進行方向から次々にやってくる大型トラックに少し肝を冷やしました。再び岡鼻集落へ戻り、先ほど通った集議所の前へ帰ってきました。

【霊山を望む岡鼻集落にある勧請縄】

 細い川にかかる勧請縄を見つつ西へ。元は民家の塀だったのか、崩れかけたレンガ塀に寄り添うようにヤエザクラが赤い花をつけていました。大和街道を進んで市民センター近くで折り返し、先ほどとは逆の東向きに進路を変えます。右手に霊山、正面奥に採石場のある烏山などを眺めながら、田の中ののどかな道を進みます。

 駅手前の池のそばを通って、約2時間後に柘植駅へ戻りました。歩数計は9154歩でした。駅やまちの歴史に思いをはせながら歩いてみると、往時の暮らしや風景が垣間見える気がします。