180312_20.jpg 東大寺二月堂(奈良市)の修二会(お水取り)で使われるたいまつを名張市から運ぶ、伝統の「松明調進行事」が3月12日早朝から行われ、地元の「伊賀一ノ井松明講」の講員や市民団体「春を呼ぶ会」のメンバー、一般参加者ら計150人余りが急な峠道を徒歩で越えた。【たいまつを担ぎ峠道を上る一行=名張市安部田で】

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 日の出前の午前6時から極楽寺(名張市赤目町一ノ井)で道中の無事を願う法要が営まれ=写真2枚目、同40分ごろにほら貝の合図で一行が出発。最初は田園地帯を歩き、宇陀川を渡って同市安部田からは山道に。重さ30キロほどあるたいまつを交替で担いで県境を越え、同8時50分ごろに休憩場所の「音楽の森ふれあい館」(宇陀市室生上笠間)へ着いた。
 同所では、地元住民らによる「笠間の郷を思う会」のメンバーからイノシシ汁やおにぎりの振る舞いでもてなしを受けた=写真3枚目。伊賀一ノ井松明講の清水重達講長(70)は「修二会を支え続けてきたこの行事は地元の誇り。講のメンバーは高齢になってきたが、若い人たちが支えてくれる。これからも長く続けていけたら」と語った。
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 一般参加者の一人で、後輩らとともに初参加した京都府立大学大学院の三輪眞嗣さん(27)は「中世の日本史を学んでいるので、長年続いている行事を体感できるのは貴重。文献や資料だけでは分からないことも多い」と感想を話した。
 700年以上の歴史があると伝わるこの行事では、修二会の行われるこの日に翌年使うたいまつを寄進しており、2月11日に切り出して調製したたいまつ5荷を、徒歩やバスで東大寺へと運ぶ。