身近な地域を実際に記者が歩いて巡る「てくてく歩記」。日中はすっかり春らしい陽気になり、どこかに出掛けたくなる季節がやってきました。今回は、名張市西部の赤目地区、錦生地区をぐるりと一周する約8・3キロのコースです。(取材・山岡博輝)

 毎年3月12日、ここ名張から奈良・東大寺へ向け、「春を呼ぶ行事」とも称される修二会(お水取り)に使うたいまつを、地元の「伊賀一ノ井松明講」が寄進しています。
 
 快晴に恵まれた2月27日午前9時半、スタート地点は近鉄赤目口駅。赤目市民センターから東へ進路を取り、赤目町檀の集落を歩きます。2羽のカワウが羽を休める小さな池から坂を上ると、道路脇に「琴平山古墳」の看板が。6世紀前半に造られた前方後円墳とあり、なだらかな傾斜に古墳らしさを感じます。
 
 坂を下って赤目町柏原へ。滝川を渡って急な坂を上り、折り返すと墓地の手前に「道観塚」があります=1枚目の写真。その昔、この地に住み田地を東大寺へ寄進した「道観長者」の遺言から松明調進が始まったとされ、3月10日にはこの場所で松明調進の安全を祈願する法要が営まれます。

 林間を抜け、赤目町一ノ井へ。行事の出発点となる極楽寺の本堂の一角にはたいまつがきちんと置かれていました。坂を下り、今度は錦生地区の矢川へ。三差路からすぐの地蔵堂から池の堤に顔を出すと、亀が数匹チャポンと飛び込みました。路地を抜け、小さな踏切を渡るとほどなく11時を知らせるサイレンが鳴り、ちょうど特急列車が通過していきました。
 宇陀川を渡り=写真2枚目、安部田の鹿高集落へ。川沿いに、大きなイチョウの木でしょうか、ギンナンらしき実が鈴なりになっています。民家の軒先には、濃いピンクの梅が花をつけていました=写真3枚目
 歩道橋のある国道交差点から坂を上がり、大きなユズリハの木の前で小休止。振り返ると、歩いてきた方角が一望できました。坂之下の信号に出ると、傍らには「松明調進の道」の看板。田園地帯を歩いてくる調進行事の一行は、ここから笠間峠越えにかかるのです。

 宇陀川にかかる坂の下橋、滝川にかかる丈六橋を渡って初瀬街道を歩き、丈六寺付近から路地に入って線路沿いへ。正午少し前に赤目口駅前へ戻ってきました。歩数計は1万2034歩でした。調進行事の出発時はまだ明け方なので、暗くて見えなかった、急いでいて気付かなかった場所や風景がいくつもありました。

 
 
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松明調進の里を巡る 名張市 赤目・錦生地区を開