今年8月に任期満了を迎える名張市議会(定数20人、欠員1人)を自主解散し、4月15日投開票の市長選と同日選挙にする是非を巡り、議会改革特別委員会が2月5日、意見を交わした。しかし議論はまとまらず、「是非の方向性を決めるのは困難」とし、委員の賛否両論を報告書にまとめ、19日の特別委で審議、議長に提出する。

 この日、全6会派が事前に利点や欠点、考えをまとめ、議論の場に持ち寄った。清風クラブの吉田正己議員は利点に「投票所に人が来る」「経費が減る」などを挙げた。欠点には「2つの選挙を同時すれば有権者が混乱する」「投票所の事務作業が複雑になる」など。「一般論では賛成だが、今の時期ではないが2人、今すべきが2人」と、時期で意見が分かれていると明かした。
 「本年行うべき」としたのは、公明党の細矢一宏議員。投票が政策の似た候補者へ偏る可能性はあるとしつつ「投票は議員一人ひとりへのもの」。同日選挙を実施した他の自治体のケースを考慮したうえ「デメリットが表に出ているものはなく、メリットを優先したい」と話した。
 心風会の永岡禎議員は「実質的なメリットは経費削減くらい」だとし、「有権者が投票内容を混同する。市長と議員の施策も見えないまま、セット投票が多くなる。議員個人の主張が通り難くなってしまう」などと話した。
 「経費節減だけ見ていてはいけない」と話す改新の柏元三議員は、同日選で市長と市議が協力関係を作り、市長与党をつくるとの見解を示した。「より市長与党が強くなるのが同日選。市長に同調する議員が増え、議会の監視機能低下する」とした。
 日本共産党の三原淳子議員は「特別委での方向性が決まらない中、時期が定まらずにいれば新人に不利」とし「政策的にも候補者も混同するデメリットはある。自らの政策をしっかり持つためにも時間が必要だ。早くに方向性を決めるべき」と話した。
 喜働に所属する委員長の川合滋議員は「都市振興税の負担を求めたなか、議員としても痛みを伴うことをすべき」。名張市の市政施行時に市議選を市長選の6か月後と変更して以来、検討がないことに触れ、再検討すべきだとした。
 会合後、取材に応じた川合議員は「報告書で実施の是非の方向性をまとめたかったが、今日の議論ではまとめることができない。誰かが解散決議案の動議を出す可能性はあるが、委員会からの解散決議案提出は難しいだろう」と話した。
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