180202_11.jpg 「地域で真剣に取り組んでいる獣害問題に、僕たちの研究が少しでも役に立てば」。名張西・名張青峰高校(名張市百合が丘東6番町)科学部の部員4人が、学校周辺で猿やイノシシなどの出没情報を観察・分析し、そのデータをインターネットで公開するなどの活動に取り組んでいる。【サル追跡用のアンテナを見せる(左から)竹内教諭、早川君、高木君、天川君、笠井君】


 部長で2年の笠井康陽君(17)、3年の髙木唯輔君(18)、1年の天川翔弥斗君(16)と早川諒君(15)の4人は、中学の時から生物や科学に興味があったといい、同部顧問で生物学専攻の竹内竜馬教諭(35)の指導で、主に獣害と防災の問題に取り組んでいる。

 獣害については、まずニホンザルの追跡調査から始めた。青蓮寺から比奈知地区までの”縄張り地帯”に生息する集団の雌個体に取り付けられた首輪中の電波発信機を頼りに、車に積んだ受信アンテナで電波をキャッチしながら追跡。出没データは、NPO法人「サルどこネット」が運営する、猿の出没情報を閲覧できるサイトに掲載している。「猿に100、200㍍まで近づかないと受信できないので、車載アンテナと指向性のあるアンテナを併用して追跡しています」と笠井君は話す。

 また、野生動物が通る獣道にセンサーカメラを2台設置し、イノシシ、タヌキ、キツネ、アライグマなどの動きを映像で記録。そのデータによれば、昨年のイノシシの出没件数は一昨年の約5倍と急増し、活動時間も、従来は夜間中心だったものが、最近は昼間にも出没しているという。設置場所が小中学校の通学路に近いこともあり、地域への注意喚起も行っている。こうした研究成果はこれまで、「三重生物研究発表会」や「日本動物学会」で発表し、表彰を受けてきた。

 竹内教諭は「野生動物の駆除が目的ではなく、野生動物と人間の生活圏を住み分け、互いに共存しながら幸せになれればと考えています」と活動の目的を説明する。

 更に、防災の取り組みにも力を入れる。校舎の隅々までドローンを飛ばして写真を撮影し、200分の1サイズで作った校舎の模型に貼り付け、昨年9月の文化祭で展示した。これは、大地震が起きた時にドローンを使って校舎の倒壊具合を調べたり、要救助者を捜したりできないかを検証するための試みだ。かなり詳細な内容だったため、校内での反響も大きかったという。

 部員たちは、自治会や市が主催する獣害問題の会議などにも、勉強のため積極的に出席している。「地域のために、自分たちに何かできることはないか考え、少しでも地域の力になれる研究を続けたい」と口をそろえた。

2018年1月27日716号3面から