180115_11.jpg 「ぺったん、ぺったん」餅をつく音に合わせ、「よいしょ、よいしょ」の掛け声が響く。名張市赤目町相楽の宮崎孝夫さん(75)方で毎年12月30日に開かれる伝統の家族餅つき。昨年の暮れには、宮崎さん家族5人に加え、妻の智子さん(72)の姉妹家族も合わせ15人が東京や滋賀、奈良などから集い、餅つきを楽しんだ。


 家族餅つきの歴史は古く、智子さんが9歳だった1954年、父親が大阪市内の自宅で始めたころまでさかのぼる。70年には、長女の恒子さんの住む桔梗が丘に両親が転居したが、家族ぐるみの餅つきは続けられた。両親が亡くなった2001年からは、智子さんが嫁いだ宮崎家の餅つきに引き継がれ、現在に至っている。

 宮崎さん夫妻は、全家族が集まる2日前の夕方には約20㌔のもち米を洗い、丸1日水に浸す。餅つき当日は午前8時から、大阪にいたころから使っている3段重ねの木製蒸し器でもち米を蒸し上げ、9時ごろから、今では餅つき専用に使っている倉庫で杵と石臼を使った餅つきを始める。

 杵を使うのは男性と子どもたちで、女性たちは熱々の餅を手早く丸めていく。宮崎さんの孫で、滋賀から駆け付けた小学6年生の絢聖さん(11)は「毎年お餅つきが楽しみ」と、きな粉餅をおいしそうに食べニッコリ。

 「以前は、私たち3姉妹の孫たちの結婚相手を紹介し合う場所でした」と笑う恒子さん。宮崎さんが勤務していた会社からも、中国やネパールの研修生が日本の伝統を学びに来たこともあったという。

 この日正午には、鏡餅や450個の丸餅を作り上げ、餅つきは終了。慰労会を兼ねた昼食に毎年恒例のカレーライスを食べた後、それぞれの家族は帰路についた。

 宮崎さんは「年1回の餅つきは、家族・親類の太い絆の証です。来年も全員の元気な顔を見るのが何よりの楽しみ。私たち夫婦の元気の源ですので、これからも続けていきます」と笑顔で話した。

2018年1月13日付715号2・3面から