171102_11.jpg 夫の画集発行への思いを夢見つつ、3年前に亡くなった妻?。その遺志を継いで完成させた画集に収めた作品なども展示する「竹之矢宏水彩画展」が11月3日から10日まで、名張市桔梗が丘6番町の桔梗が丘市民センターギャラリーで開かれる。観覧無料。【名張市桔梗が丘4で】


 作者の竹之矢宏さん(81)は同市桔梗が丘4番町在住。伊賀市種生に生まれ、25歳の時、東京で「二紀会」前理事長の成井弘さんに油絵を習い始めた。42歳で伊賀に戻り、旅行センターを70歳まで営んできた。

 その後、水彩画教室「スケッチ100万歩」を主宰する傍ら、妻の智江子さんと各地にスケッチ旅行へ。北海道から鹿児島への日本縦断鉄道旅の他、東南アジア独立峰の最高峰キナバル山(4095メートル)では、山小屋に智江子さんを残し、70歳を超えて登頂。高山病にかかりながらスケッチした。「パキスタンのカイバル峠では、銃を持つ部族の格好が不気味で、スケッチする気になれなかった」と振り返る。

 今年9月に発行した画集「竹之矢宏スケッチ100万歩自選画集」はA4判48ページのオールカラーで、2人の思い出が詰まった水彩画など80点を掲載。画集の最後に掲載した、智江子さんが描いた花の絵には「妻の智江子は僕の画集をつくるんだと僕の絵を整理し、自分の絵を残して先に逝ってしまった。僕は智江子の遺志を継いで感謝しながら画集を編集することができて喜んでいます」とつづられている。

 竹之矢さんは「現場に足を運び、その雰囲気を感じ、感動から想像を膨らませて『嘘』を描いて『本当』以上に見せる、だから描いた絵は美しい」と成井さんから教えられたといい、「これからも感動を描き続けたい」と話した。

 「夢を描いて80才」と題した水彩画展は、午前10時から午後4時まで。絵画約30点と「はがきスケッチ」などが展示される。また、来場先着200人(1家族1冊まで)に画集がプレゼントされる。

 問い合わせは竹之矢さん(0595・65・3926)まで。

2017年10月28日付710号1面から

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