171026_1.jpg 2018年4月24日の任期満了に伴う名張市長選まであと半年に迫った10月26日、同市議の森脇和徳氏(44)(同市桜ヶ丘)が立候補を表明した。財政非常事態宣言の早期解除や、地域経済の活性化を目的にした企業連携によるまちづくりを進める考えを公約に示した。【会見で立候補を表明した森脇氏=名張市で】 

 この日、市役所内で会見を開いた森脇氏は「財政が硬直化し、人口減少、地域経済の低迷、市立病院の経営問題など待ったなしの状態が続いている。これらの問題に果敢に立ち向かうべく、先頭に立つ覚悟を決めた」と述べ、「8月に出馬の意思を固めた」と語った。市議職は12月定例会最終日で辞職し、所属する自民党を離党、無所属で選挙に臨むという。
 公約では他に、▽まちづくりと観光の融合▽良質な医療体制の確保▽地域の道路網整備▽子育てと教育の充実を挙げている。非常事態宣言の解除に向けては、任期内の財政調整基金10億円の積み立てや、市の介護施設ゆりの里の民間経営化などの病院改革、予算へ切り込んでの財政再建を掲げ、都市振興税終了後の20年以降は市職員の給料見直しも検討するという。
 森脇氏は「長年にわたる非常事態宣言がゆえに、市民と街の閉塞感を生んでいると思う。宣言解除によりいち早く、安心で将来的に持続可能な町にしたい」と述べ、非常事態宣言発令後も事業を継続し、立て直しのための改革を図るも厳しい財政状況が続く現市政を批判した。
 森脇氏は近畿大学商経学部卒。長嶋観光開発社員を経て、家業の料理旅館を継ぎ、現在は不動産賃貸業を営む。06年に市議に初当選し、現在は3期目。15年には歴代最年少で議長を経験した。
 一方、現職の亀井利克市長は「(出馬は)ノーコメント。1月までに一番大事な方々と相談した上で判断したい」と話した。
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