170929_1.jpg 大規模な交通事故など局所災害の発生を想定した、名張消防本部と名張市立病院の災害派遣医療チームの合同訓練が9月29日、名張市鴻之台の同本部で開かれた。救助から搬送までの一連の指揮内容やお互いの連携を確認した。【傷病者の容態を確認する消防署員と医療チームのメンバー=名張市鴻之台で】

 訓練は有事の際、迅速な救出や救護、搬送体制が確立できるように連携を深めようと、初めて開いた。消防本部から救急隊を中心に約50人、市立病院から医師と看護師を含む医療チーム「DMAT」の4人が参加。患者役として市立看護学校の学生ら18人も協力した。
 訓練は土曜日の日中、名張市夏見の165号で観光バスを含む多重衝突事故が発生し、乗客ら20人が重軽傷を負った想定で実施。現場に急行した救急隊が救護の緊急度合に応じて傷病者の優先順位を決める「トリアージ」を行い、並行して現場付近に応急救護所を開設。応急救護所では到着した医療チームを交えて2次トリアージし、傷病者を処置し、病院へ搬送した。
 訓練後、DMATの1人で市立病院総合診療科の橋本修嗣医師(39)は「救護現場では医師をどう活用するかがポイントだったが、救急隊が適切に状態を判断し、必要に応じて声を掛けてくれていた。比較的スムーズに進んだ」と講評。名張消防本部救急室の山口晃室長は「お互いに連携を深めることができた。訓練を振り返り、より安全で確実な方法を考えたい」と話した。
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