170828_1.jpg 名張市が当初予算に財産処分による収入として盛り込んだ同市丸之内の旧市老人福祉センターを売却しないよう求め、名張地区の全区長19人が8月28日、市に要望書、市議会に陳情書をそれぞれ提出した。【細矢議長に陳情書を手渡す(左から)角田さん、市岡さん、寺嶋さん=名張市鴻之台で】 

 旧老人福祉センターは1974年7月建築の鉄筋コンクリート造2階建。96年の市総合福祉センターへの移転まで使用し、その後は市の市史編纂室や障害者の小規模作業所として利用していたが、施設が耐震基準を満たしていないとして、2014年度で利用を中止。今年度の当初予算の財産売払収入約1億円の一部として、駐車場を含めた施設と土地(敷地面積1376平方メートル)の売り払い見込み額4100万円を計上している。
 要望書と陳情書は、全区長が署名付きで提出。センターと隣接する名張藤堂家邸跡や寿栄神社は、名張の歴史を語る上で重要な文化財であるとして▽センター跡地の売却をしないこと▽跡地を名張藤堂家邸や寿栄神社と合わせ、名張地区の文化を発信する文化ゾーンとして残すことを求めた。15年度には同センターを巡り、名張地区まちづくり協議会から歴史資料を展示する施設へ活用する要望書も提出されていた。
 この日、中町区長の角田勝さん(75)、本町区長の市岡一夫さん(68)、朝日町区長の寺嶋剛さん(68)の3人が市役所を訪れ、要望書と陳情書をそれぞれ渡した。角田さんは「地区には旧市街地の歴史資料を保管している方もいる。それらの展示や、お茶席を提供できる休憩所などとして活用を考えてほしい。観光や歴史で盛り上げていってほしい」と求めた。
 陳情書を受け取った市議会の細矢一宏議長は「名張地区の全区長が判をついていただいたもので重く受け止める。行政への聞き取りも踏まえ、議員の意見をまとめ、請願化も含めて対応を検討したい」と話した。