170816_12.jpg 名張で話題の「ゆるキャラ」が、初のミュージックビデオを引っ提げて決戦に挑む?。8月1日から人気投票が始まった、ご当地キャラの祭典「ゆるキャラグランプリ2017」に、今年も「名張のひやわん」がエントリー。決選投票の舞台は桑名市のナガシマリゾート。なんとしても上位入りしたい彼が、動画片手に熱いPR合戦に身を投じる。【公開している動画を見せ、投票を呼び掛ける「名張のひやわん」】


 名張のひやわんは、能面顔の犬のキャラクター。無感情な表情からくる独特な存在感は、ゆるキャラの中でも異質で、雑誌「週刊文春」にも取り上げられたほど。昨年のグランプリでは全1421体中437位で、今年は地元開催に向け更に知名度を上げたいと、活動を後押しする「隠ひやわん倶楽部」(田畑純也会長)が昨年10月から動画作成に取り掛かった。

 完成動画は「ひやわんの歌 今宵も仲間となばり酒」と題し、7月8日から動画サイト「ユーチューブ」で公開。作品は5分間で、アップテンポで明るい曲をバックに、「父子家庭で無職」といった設定から、職や嫁探しに奮闘しながら、大好きな名張をかっ歩するひやわんをハートフルに描いた。

 映像は、名張川河川敷を歩くひやわんから始まり、近鉄名張駅前の乱歩像前で酒をあおり、飲食店で同市の亀井利克市長と飲み交わすなど、目まぐるしく切り替わるシーンは突っ込みどころ満載。笑いを誘う「ゆるい」仕上がりになっている。最後にはひやわんの名前の由来にもなっている名張地区ならではの狭い路地「ひやわい」が大写しになる。

 歌の作詞は同倶楽部の荊原広樹副会長(34)が手掛け、奈良県橿原市の作曲家、青山佳龍(本名・野上佳三)さんが作曲、伊賀市の歌手・花垣亮志さんが渋い声で歌い上げた。

 「名張川のせせらぎに」「酒でかたやき流し込み」「名張饅頭がアテになり」「涙は牛汁のにおい」など、インパクト抜群のフレーズは、地元の物産が好物で名張を愛する人にしか見えないひやわんのキャラクター性と〝おっさん犬”感を豊かに表現した。動画は今後、ひやわんの入場曲やイベントPRなどで使われる。

 荊原副会長は「多くのゆるキャラのように可愛い路線じゃないのがひやわん。どこか光る魅力がある、異端児的な存在。そんな彼をまだまだ知らない人も多いので、動画を通じてもっと身近に感じてもらえたら」と話す。

 投票は1日1回、グランプリのホームページ(www.yurugp.jp/)から。スマートフォンアプリからも投票できる。11月10日まで受け付け、上位入賞キャラが11月18、19の両日、ナガシマスパーランドへの決選投票に挑める。ひやわんは「県内開催やから、いつもより気合入ってるで!毎日投票頼んますぅ」と呼び掛けている。

2017年8月5日付705号20・21面から

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