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 4月と5月に審査があった日本酒の全国新酒鑑評会で、伊賀地区にある3つの蔵元が金賞に選ばれた。7月7日に伊賀市役所内で記者会見し、受賞の喜びを語った。【金賞酒を手にする(左から)橋本酒造場の橋本代表、木屋正酒造の大西前社長、若戎酒造の重藤社長=伊賀市役所で】

 105回目を数える全国新酒鑑評会には昨年7月から今年6月までに製造された清酒860点が出品され、437点が入賞、その中から特に成績が優秀と認められた242点が金賞酒に選ばれた。伊賀地区の受賞酒はいずれも伊賀産山田錦を使用した大吟醸酒で、若戎酒造(伊賀市阿保)は4年ぶり12回目、橋本酒造場(同市御代)は3年ぶり12回目、木屋正酒造(名張市本町)は3年ぶり7回目の金賞に輝いた。
 重藤邦子社長(44)をトップに昨年から新体制となった若戎酒造は、山形県から高松誠吾さん(49)を杜氏に迎え、初めて仕込んだ新酒が最高賞の評価を得た。「杜氏の技術と、和を持って楽しくというスタッフのコミュニケーションが形になった」と受賞を振り返り、「今後も皆さんに喜んでもらえる若戎らしい酒造りを目指したい」と話した。「大吟醸若戎」は1本(720ミリリットル)4320円で販売している。
 「とても小さな蔵。これからも家族仲良く酒造りをしていきたい」と話すのは橋本酒造場の橋本勝誠代表(56)。妻の真貴子さん(50)と長女の萌子さん(25)が蔵人として理想の酒造りを支える。実家の蔵元で酒造りを始めたのは19年前。以来、自身が納得できるよう作業全てに目を配り、愛情を注いでいる。酵母にこだわった「大吟醸俳聖芭蕉」は1本(720ミリリットル)2700円で販売している。
 木屋正酒造の大西武夫前社長(73)は、7年前にリタイアし、現在は社長兼杜氏の長男、唯克さん(41)が酒蔵を継いでいる。「酒造りに適した米、水、気候はもちろんだが、チームワークと厳しい冬の仕込み期間も気持ちを切らさず酒造りに取り組んだのが受賞につながった」と話し、「若い世代が頑張っていて非常にうれしい」と目を細めた。「大吟醸而今」は1本(720ミリリットル)4320円で、11月から販売する。
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