伊賀労働基準監督署(森孝志署長)は4月25日、昨年1年間に伊賀・名張両市内で発生した労働災害の状況を発表した。死亡者は前年のゼロに対して2人に増え、休業4日以上の死傷者数は236人で、15人(6・8%)増加し、なかでも社会福祉施設での災害が多発した。

 死亡災害が発生した業種は林業と道路貨物運送業で各1人。休業4日以上の死傷者数では製造業95人(前年同数)、鉱業1人(前年比1人増)、建設業22人(同2人減)、運輸業29人(同2人増)、第一次産業5人(同1人増)第三次産業84人(13人増)だった。第三次産業の社会福祉施設で発生した労働災害は前年比2・3倍の25件(14人増)で、業種小分類で全産業中最も多かった。
 事故の型別ではつまずきなどによる「転倒」が46人と最も多く、高所からの「墜落・転落」が40人、機械などによる「はさまれ・巻き込まれ」が32人で上位を占めた。社会福祉施設で多かったのは「転落」の9人と「腰痛」の5人だった。
 同労基署では社会福祉施設での労働災害減少に向け、施設管理者を対象にした労働安全衛生研修会を年内に2回、署長によるパトロールを7月3日に実施する予定。
 今年1月から3月までの間に発生した労働災害の死傷者は28人で、死亡災害は起きていないという。
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