身近な地域を記者が実際に歩いて巡る「てくてく歩記」。秋も終盤、赤や黄に染まりだした山々が目に入る時期になってきました。今回は、山に囲まれた伊賀市北西部の島ヶ原地区をぐるっと一周する約10キロのコースです。(取材・山岡博輝)【1枚目の写真 奥村の集落を抜け、山手を振り返る】

 11月13日、秋晴れとはいきませんでしたが、歩くにはちょうどいい天候と気温になりました。スタート地点は「島ヶ原温泉やぶっちゃ」。ここから反時計回りに島ヶ原をほぼ一周します。島ヶ原には中矢、大道、奥村、中村、山菅、不見上、町、川南の8地区があり、今回はそのうち6地区を通ります。

 正午に歩き始め、まずは北の中矢集落へ。黄色くなった木の葉が目につき、時折上から葉が舞ってきました。池の脇を集落へ上がっていくと、JR関西線を走るディーゼルカーの音が背後に聞こえてきます。坂道の傾斜がきつく、さっそく汗が出てきました。
 
 上りきると中矢のバス停と集議所があり、ちょうど路線バスが軒先のナンテンを揺らしながら通っていきました。大きな石灯どうろう籠のある番屋バス停を過ぎ、坂出バス停付近からは道をそれて山手へ。坂の上から大道の集落を眺めると、心地良い風が吹いてきました。
 
【境内のモミジが色付く観菩提寺】
 
 小休止の後、続いては奥村へ。細い川沿いには柿の木が数本並び、たくさんの実をつけていました。区民広場を過ぎて下っていくと民家が途切れ、ふと振り返ってみると階段状になった田と山々がつくる牧歌的な風景が現れました。後ろからトラクターに乗った年配の男性が通り掛かり、「こんにちは」とあいさつを交わしました。 大谷川を渡って川沿いを下り、中村へ。このほど33年ぶりに本尊・木造十一面観音立像が開帳され、2月の伝統行事「修正会」でも知られる観菩提寺は、境内のモミジがだいぶ色づいているようでした。
 
【奥村から西へ。山あいに水田が広がる】
 
 ひたすら田の中を進んでいき、少し上ると、オーバークロスする未舗装の道を南へ。左右は背の高い木々に覆われ、今どこを歩いているか分からず、少し不安になりました。黄色い落ち葉を踏んで進み、池が視界に入ってくると舗装された道に合流。右手の山の方から「キー、キー」という金属音のような鳥の鳴き声が聞こえていました。
【国道から川沿いの街道へ抜ける道】
 
 国道を行く車の音が聞こえ、踏切を渡って国道の歩道を西へ。町交差点にあった「温泉まで2・5キロ」の看板に背中を押されながら、川の北側にある町の集落へ進みます。木造平屋の「旧本陣」を始め、街道の面影を残す通りを抜け、樋門のある川沿いへ。餌をくわえたカワウが飛び立っていき、それを2羽のサギが眺めていました。
 
 島ヶ原大橋を渡り、川南の集落へ。ゴールはもう間もなくです。出発から約2時間半、午後2時半すぎに到着しました。歩数計は1万6500歩で、坂道が多かったからか、思ったより両足が疲れているようでした。帰りには温泉で疲れを癒やしたり、起終点をJR島ヶ原駅にすることも可能です。
 
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