国道と旧街道 西青山駅~阿保

 伊賀地域の身近なウオーキングスポットやコースを紹介するシリーズ「てくてく歩記」。今回は、今年3月に伊賀市阿保の「陽だまり文庫」が作成・発行した「初瀬街道を歩いてみよう てくてくマップ」のルートに沿って、初瀬街道の一部を歩いてみました。

 近鉄青山町駅から各駅停車で2駅、6分で西青山駅に到着。間もなく観光シーズンに入る時期ですが、駅の周囲には人家が無いため、車と電車の走る音以外はほとんど聞こえません。午後2時すぎに歩き始めました。
 まず国道165号を伊賀上津方面へ。国道とはいえ歩道は無く、行き来する車に気を配りながら路肩のガードレール沿いをゆっくりと進みます。道端の草むらには淡い紫のスミレなどが見え、溝の中に菜の花が力強く根を張っていました。

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旧街道筋へ
 再び線路と交差するのは約15分後。はるか上を仰ぎ見るような鉄橋を、特急列車が足早に駆け抜けていきました。斜面や川原の桜の木は、もう終わりかけの葉桜でしたが、新緑の中にあっては、ほんのり春を感じさせます。スタートから約40分、伊勢路の集落が見えてきました。
 国道から右に折れ、昔の宿屋などが並ぶ旧街道筋へ。付近で最も近年まで営業していたという宿屋「とくだや」を過ぎ、常夜灯を左に折れると再び国道に。「こうづの郷」の南側の道へと進みます。
 再び国道に合流する場所には、「右いせ」と彫られた小さな道標。中山トンネルに向かって進み、橋を渡って左の旧道へ進むと、ほどなく川沿いに立つ石の碑が目に入ります。これは本居宣長の「河づらの伊賀の中山なかなかに見れば過うき岸のいはむら」という歌碑で、残念ながら下部はガードレールで隠れています。

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道端の地蔵
 国道に出て広域農道の高架橋を見上げながら進むと、道端にお地蔵さんがあります。「世直ししばられ地蔵」と呼ばれ、自分が病気やけがをしている部分と同じ箇所を縄でしばると治る、という言い伝えがあるとか。
 岡田の集落に差し掛かると、川向かいに「明神さん」の赤い鳥居と階段が見えます。川沿いの歩道は短い区間で途切れ、別府からは竹林の中の小道へ。大村神社入口にかかる朱色の大村橋を過ぎ、川の渕には列になった桜の花びらが、流れに身を任せるように浮かんでいました。
 ガソリンスタンドの先の道端にある「山の神」から北へ少し入ると、「足どめ地蔵」と呼ばれる数体のお地蔵さんが並んでいます。青山町駅前から国道を越えて橋を渡ると、時刻はもう午後4時過ぎ。橋のたもとに本居宣長の旅日記「菅笠日記」がつづられた碑が立っています。
 ここまで歩いた距離は約6km、歩数は9772歩でした。一部区間は歩道や歩くスペースが無く、注意が必要です。伊勢路から別府へは北側の下川原、寺脇方面を通る別ルートもあります。
 次回は阿保の街道筋を出発し、名張市の美旗までの道のりや見どころを紹介します。
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