【展示作品を手にする謝さん(左)と陳さん=伊賀市西高倉】
日本の紅葉に魅了され 謝志強さん・陳琪さん夫妻
昨夏、中国南部の貴州省から三重県伊賀市西高倉へ移住した画家・写真家の謝志強さん(60)と妻の陳琪さん(59)は、定年を機に故郷を離れ、伊賀で第二の人生を送り始めた。元温浴施設だった3階建ての建物を自宅兼アトリエにしており、「桜や紅葉が美しいこの場所を、皆さんが集まれるアートスペースにしたい」と思い描いている。
2人はともに同省出身で、貴州芸術高等専科学校(現・貴州大学美術学院)の同級生。謝さんは同省の観光旅行サイトの運営や写真家、陳さんは図書館でグラフィックデザイナーとして活動してきた。15年ほど前、大学時代以来数十年ぶりに絵画を再開した謝さんは、省都・貴陽や北京、深圳などで個展を開いてきた。
2024年秋に日本を旅した際、「紅葉の美しさ」が印象に残り、「日本で何かを作りたい」と一念発起。住む場所に伊賀を選んだのは偶然だったそうだが、謝さんは「貴州省と同じ内陸で、気候がよく似ていて過ごしやすい」、陳さんも「来た瞬間から『ここは自分の家だ』と思えるくらい親近感が沸いた」と顔を見合わせる。
24日から初の作品展
謝さんの作品は、油絵を中心とした「表現主義的な現代アート」で、多くの作品に「顔」が潜んでいるのが特徴。1月24から30日まで同市上野福居町のギャラリー「アートスペースいが」で開く国内初となる作品展では、来日後に制作した絵画約40点を披露する予定だ。

移住に当たって購入した「自宅」は、かつて温浴施設「伊賀温泉」や高齢者向けマンションとして使われていた3階建ての建物で、15年以上手つかずだった。管理人室を住居に、ロビーをアトリエに利用している。建物を取り囲む雑草や雑木、使われなくなった家具・家電などをこつこつ整理し、「環境を整えるのに3か月かかった」と苦笑い。
「文化や芸術は誰もが楽しめる、国境の無いもの。友好関係は世代を超えて受け継がれていくと信じている」。2人とも日本語での会話はスマートフォンの翻訳アプリ、移動は自転車が頼りで、運転免許の取得に向けて練習中だという。
いずれホールやゲストハウスも
現在は持て余している感のある大きな「自宅」はいずれ、1階を展示ホールやアトリエ、2・3階をゲストハウスに改修し、「地下にあった温浴施設も復活させたい」という。2人は「最初はロケーションや雰囲気が気に入っていたが、西高倉の自治会長さんを始め地域の人たちが親切で、更にこの土地が好きになった」と目を細めた。
作品展は午前11時から午後5時(最終日は同4時)まで。
問い合わせは同ギャラリー(0595・22・0522)まで。















