【「平次郎解剖図」に描かれた心臓など】
名張の医師登壇
江戸時代後期の医者で、三重県津市久居地区出身の橘南谿の偉業を知るシンポジウムが11月29日に津市久居総合福祉会館(同市久居東鷹跡町)で開かれる。
1783年、「精密に絵を残すことによって後の医者の正しい治療に役立つように」と死刑囚の解剖を行い、絵師の吉村蘭州が臓器や関節などを詳細に描いた「平次郎解剖図」を完成させた。その模写が、東北から九州にわたって見つかっており、昨年には三重県内の医師の自宅から14番目が見つかった。「この貴重な発見を機に、解剖図が示す医学革新の軌跡と橘南谿をもっと知ってもらいたい」と、今回のシンポジウムが企画された。
当日は午後1時30分から同4時まで。津市会計年度任用職員で谷川士清旧宅管理運営職員でもある井ノ口岳彦さんの基調講演の他、名張市在住の医師、吉住完さんと三重大医学部解剖学講師の江藤みちるさんも登壇する。また、会場には「平次郎解剖図」の巻物、「ターヘルアナトミア」のラテン語版、「解体新書」、橘南谿像の写真も展示される。参加費は500円。定員200人。

井ノ口さんは「当時は人体を切り刻むことに抵抗があった時代。本当の治療をするために、精密に絵を残した偉業をひも解きましょう」と来場を呼び掛けた。
問い合わせは同会の名越さんに電子メール(m.nakosi@gmail.com)で。
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