【竣工式の様子=伊賀市中馬野で】

 地域のシンボルとなる場所を整備し、住民や中世城館跡を訪れる人たちの憩いの場にしようと、三重県伊賀市中馬野の住民らが協力し、ベンチやテーブルを備えた木製の東屋を完成させた。

完成したばかりの東屋に集まる住民ら=同

 東屋があるのは、集落北端の左妻川沿いの、数年前まで空家があった場所。かつて中馬野から源頼朝に献上されたという名馬「生好(いけずき)」の名を冠し、東屋周辺は駐車場も含め「いけずきの里公園」として整備されている。

 今年7月から約3か月間、住民でもある製材所の代表や大工らに協力を仰ぎ、プレカットを施したヒノキなどを住民らが協力して組み上げたといい、南側の上部は光が差し込むパーゴラ(日陰棚)を採用。中央の梁を見上げると「笑顔咲く中馬野」の墨書きが目に入る。

 集落西側の山手には福岡、山下、福持という3つの城館跡があり、土塁や空堀などが現存。同公園の城館案内図や掲示板なども住民の手作りだ。春には東屋から満開の桜が眺めることができ、今後は記念スタンプの作成やイベントの開催なども考えているという。

 10月13日の竣工式には住民ら約20人が出席し、完成を祝った。成瀬義之区長(69)は「皆が気軽に集える場所として、長く愛される東屋になってほしい」と思いを語った。

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