【高校生らの作品を前に来場を呼び掛ける(左から)中内さん、津田さん、角谷さん=名張市で】
三重県名張市内の5つの高校・高専の生徒らの絵画、工芸などと、市内の美術工芸作家3人の作品を展示し、若手作家の育成と交流を図る企画事業「高校生を中心とした 名張の美 作品展」が、10月1日から同市丸之内の名張藤堂家邸(県指定史跡)で開かれる。入場無料。
主催は市教育委員会。昨年、「名張の美」と題したコラボ展を同所で開いた陶芸家・角谷英明さん(80)、組みひも作家・中内中さん(76)、日本画家の津田親重さん(72)=いずれも市内在住=が「今の歳まで好きなことを続けていられる理由の一つは、恩師のおかげ。今回は恩返しではなく、次の世代への”恩送り”をしよう」と企画し、実行委員として各校の美術部顧問らに呼び掛けて実現する運びとなった。
名張高(東町)は模写(コラージュ)作品、名張青峰高(百合が丘東6)は夏合宿で描いた15号の油絵、特別支援学校伊賀つばさ学園(美旗町南西原)は陶芸やパッチワークなどをグループで、近大高専(春日丘)は「未来のロボット」をテーマにはがきサイズに描いた作品、英心高桔梗が丘校(桔梗が丘1)はデジタルアートや水彩画などをそれぞれ出品する。
また、名張高の卒業生3人と、角谷さんら3人の作品も並ぶそうで、出品者は200人余り、展示総数は250点ほどになる見込み。会期は5日までの午前9時から午後4時30分まで。入場無料。2日午後2時からは、縦1メートル、横3メートルの紙に津田さんがボタンの花を描く「日本画ライブパフォーマンス」もある。
開催を前に、3人は「私たちにとっては孫の世代。地元で展示した経験があれば名張のことが心に残ってくれると思う」(角谷さん)、「今回の出品作を拝見し、若い世代のアートはとても面白いと感じた。芸術や文化にもっと親しんでほしいし、貴重な文化財の館内で展示できる意義は大きい」(中内さん)、「高校生たちの感覚や情熱が作品から伝わってくる。活気あふれる会場になってくれるのでは」(津田さん)と期待を込めて話した。
問い合わせは市教育委員会文化生涯学習室(0595・63・7892)まで。