【川の水流が緩やかになるように土のうを積む子どもら=名張市黒田で】

 産卵のために遡上(そじょう)するナマズを助ける魚道づくりが5月12日、三重県名張市黒田の名張川支流であった。市内のNPOのメンバーや国土交通省木津川上流河川事務所の職員、地元の小学生ら約80人が活動に汗を流した。

留い川を遡上するナマズ(2022年5月撮影)

 河川改修の影響で遡上しにくい段差がある「留(とめ)い川」で、2021年に始まった取り組み。ナマズは川から水路や田んぼなどに入って産卵する習性があり、土のうを使った魚道を5月中旬から6月中旬まで設置している。

 この日は8つの機関の関係者と市立錦生赤目小の4年生28人が参加。約250個の土のうを作った後、川に入り、水流が緩やかになるように積んでいった。

 参加した男児は「楽しかった。ナマズが無事に卵を産んで、仲間をたくさん増やしてほしい」と話した。

ぬいぐるみを使ったナマズの遡上の説明を聞く児童ら=同

 活動に参加した赤目滝水族館(赤目町長坂)の朝田光祐館長(23)によると、同館では留い川を遡上したナマズの展示を計画しており、5月下旬に採集を行う予定だという。

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