納期短縮、若い力が活躍 伊賀・光洋鋳造

壁面に金型のデザインをあしらった応接室で取材に応じる(左から)蓬田さん、白江社長、長崎さん=伊賀市で

 1955年の創業以来、鋳造一筋に歩んできた三重県伊賀市予野の光洋鋳造株式会社。製造現場では溶解炉で鉄を約1500度で溶かし、型に流し込んで自動車用プレス金型などの鋳物部品を作っている。

 金型作りは、ユーザーから受け取った2次元の図面を3次元のCAD(コンピュータ支援設計)、CAM(コンピュータ支援製造)で立体的な図面に仕上げるところから始まる。

 図面に基づき、発泡スチロールを完全自動で削って原寸大の模型を作り、金枠の中に模型を置き鋳物砂で隙間なく詰めて、注湯口から溶解した鉄を流し込む。発泡スチロールは高熱で溶けて気化し、そのまま鋳鉄と置き換わり金型が出来上がる。

製造工程の内部=同

 この方式は「フルモールド鋳造法」と言われ、同社では40年以上前から採用している。発泡スチロールによる模型は、一般的な木製の模型に比べて制作日程が大幅に短縮されるため、単品生産や多品種少量生産に適しているという。

 同社は模型の製作から鋳造、検査までの全工程を内製しているため、工程待ちを無くし納期の短縮を実現している。これは同社の大きな強みだ。

 従業員は現在パートも含めて64人、平均年齢は37歳と若い。また従業員の半分は東南アジアからの20代の若者だ。「国内の人材不足もあり、働く意欲の高い海外の若い力を活用している」と話す同社の白江一社長。リーマンショック後、売り上げは5・6億円まで落ち込んだが、当時需要の最大ウエイトだった風力発電用部品から自動車用に事業転換したことで急回復し、同社の売り上げは今年度約18億円、2030年には25億円を目指している。

 同社では行動指針を短い言葉で示している。まずミッションとして「納期からの解放」を掲げる。「顧客から納期の悩みを無くす」という意味で、休日も含めて製品の流れを止めないような勤務体系の導入や全工程の内製化などの効果もあり、現在の納期は業界平均が3週間であるのに対して、同社は2週間と短い。「納期は国内では最短だと思う」と白江社長は胸を張る。

 次に掲げているのは「未来忍者」。鋳造は忍者のごとく人目には付きにくいが、陰で社会を支え、AI(人工知能)などの最先端の“武器”を駆使して顧客の困りごとを解決しようという意味だ。この他に、「順番いのち」「俺の話を聞け」など、ユニークな言葉を行動指針にして守っている。

 技術営業部長の長崎愛彦さんは、「未来忍者の精神で、これからは自動車関連以外のあらゆる産業分野に挑戦し、需要を開拓したい」と意欲的。営業総務の蓬田里枝グループサブリーダーは「鋳造は男性の職場と思われがちだが、明るく働きやすい社風のため、女性活躍の場は年々広がっている」と話している。

オープンファクトリー開催

 同社では町工場をアミューズメント化する狙いで、24日午前10時から午後3時まで、オープンファクトリーを開く予定だ。地域の人や従業員の家族を招き工場見学やワークショップ、体験イベントを行い楽しんでもらうという。参加無料で、雨天決行。

 工場見学と鋳造体験(キーホルダー作り)は予約制。協賛しているプロバスケットボールチームの「ランポーレ三重」の3選手も登場する。

 白江社長は「地域の皆さんに私たちの工場の元気さを知ってほしい。楽しいイベントも満載。多くの方のご来場を」と呼び掛けている。

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