香落渓で急病人発生も「携帯つながらず」 名張曽爾線の不感地域解消を要望

北川市長(左端)に要望書を手渡す菅尾さん(中央)と坂本さん=名張市鴻之台1で

 三重県名張市と奈良県曽爾村を結ぶ県道名張曽爾線の携帯電話不感地域を解消するよう、沿線の4者が8月25日、北川裕之市長に要望書を提出した。

 柱状節理の岩肌が続く渓谷「香落渓」を通る同線は、住民の生活道路であり、観光客やバイク、自転車の利用者も多いが、携帯電話の電波が届かなかったり、通信が不安定な区間があり、事故や急病時の連絡手段の確保が課題となっている。要望したのは、青蓮寺川香落漁業協同組合、青蓮寺自治会、香落渓でのロッククライミングを愛する有志、飲食店「天結び」。

 香落渓の青蓮寺川では、アユ釣りをしていた男性が6月下旬に熱中症で倒れ、7月上旬には同じくアユ釣りをしていた別の男性が心筋梗塞で倒れる事案が相次いで発生。携帯電話がつながる場所まで車で10分ほどかかり、救急要請に時間を要したという。

香落渓を流れる青蓮寺川。右は県道名張曽爾線=名張市青蓮寺で

 急病以外にも、交通事故の発生時に、すぐに助けを呼べなかった事例もあるという。天結びを家族で営む坂本美樹さん(64)は「事故などがあった時に携帯がつながらないと、本当に大変なことになる」と危機感を示した。

 同漁協代表理事組合長の菅尾孝作さん(85)から要望書を受け取った北川市長は、これまでも国や県に不感地域の解消を要望してきたと説明した上で、今後も要望を続ける考えを示した。また、衛星通信「スターリンク」が沿線で活用できるか、市で早期に実験する方針を明らかにした。

 4者は10月に予定する国や奈良県への要望活動に向け、署名活動も行っている。

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