熊本地震の被災地に派遣されていた名張市立病院(三重県名張市百合が丘西1)のDMAT(災害派遣医療チーム)5人が8月10日、現地での活動を終えて帰還した。リーダーの二本松綾乃医師(35)は「『医療班が来てくれただけで安心する』と言っていただけた」と振り返った。
隊員は、二本松医師、中井祐樹看護師(41)、藤永和大看護師(39)、小竹顕作業務調整員(48)=理学療法士=、岡本和樹業務調整員(33)=事務職=の5人。4日に同病院を出発後、5日から熊本県八代市役所を拠点に活動した。
チームは高齢者施設や障害者施設計約10か所を訪問するなどして入所者の健康状態の確認や物資のニーズ把握、衛生環境の確認などを行い、行政との調整に当たった。発災から1週間以上が経ち、直後とはニーズが変化している状況だったという。
帰還後の報告では、現地の厳しい暑さに加え、「断水による水の確保や入浴が深刻な問題だった」との声が隊員たちから上がった。入所者の清拭もままならず、食器を洗う水にも事欠く施設がある一方、給水作業に更に人手を取られる状況もあり、チームは自衛隊とも連携し、水や物資の運搬にも当たった。
入所者からは、刻み食が必要な人向けの対応が難しいことや、保存食は塩分が高くなりがちで日々の食事とは勝手が違うことなど、平時とは異なる食生活に関する悩みも寄せられたという。

10年前の地震を経験した地域だけに、現地では住民らの動きから防災意識の高さも感じたという。能登半島地震で2度の派遣を経験した中井看護師は「今後、名張でも『想定外』を『想定内』にできるような活動ができたら」と話した。









