【宙づりになった要救助者役に近づく名張市消防本部の消防士=名張市鴻之台で】
全国の消防士らのチームがロープを使ったレスキュー技術を競う大会「Giallo Cup(ジャッロカップ)」が11月22、23の両日、三重県名張市で開かれた。23日の団体戦には名張市消防本部の選抜チームなど計16チームが出場し、高所や傾斜地で要救助者役を救出する手際や所要時間などを競った。
高所作業やツリークライミングなど、ロープを使用した業務・講習などを行っているロープアクセスジャッロ(兵庫県明石市)が主催する3回目の大会で、名張市では初の開催。22日には桔梗が丘中(名張市桔梗が丘7)体育館で個人戦が行われ、約60人が参加した。

23日の団体戦は、市消防本部(鴻之台)、市役所(同)、名張中央公園展望台(夏見)、比奈知ダム下流親水公園(下比奈知)に設けられた計6つの課題に挑戦。全16チームのうち15チームは関東から四国までの10府県の消防士チームで、残る1チームは消防・警察・一般の合同だった。
持ち時間は各課題とも1時間で、市消防本部会場では、訓練塔と庁舎の間で宙づりになった人を救助する課題と、斜面の下で動けなくなった人を担架に乗せて運び上げる課題が出され、親水公園では川の中州に取り残された人を救出する課題に挑んだ。

名張市消防本部では今年4月から、救助用ロープなどの資機材を整備するための資金をクラウドファンディングで募り、計354万円の寄付が寄せられた。その資金を活用し、今大会には一部の競技用資機材を購入・装備して臨んだという。

同本部の選抜メンバーは、澤隆介さん(リーダー)、南出直大さん、濱田亮さん、鷲阪友亮さん、鷲阪和亮さん、田中宏紀さん(コントローラー=各チーム選出の採点者)、岡本祐樹さん(要救助者役)の7人。2つ目の課題を終えた澤さんは「大会のレベルがとても高い。自分たちが考えているより高い想定が付与されるが、最後まで力を出し切りたい」と話していた。
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