【メダルを手にする(右から)星月さん、麻生さん、ユリアさん】
三重県伊賀市立青山小学校に通う姉妹といとこの3人が、舞とレスリングという異なる舞台で輝いている。伊賀東照宮(同市老川)では神事の舞姫を務め、レスリングでは全国大会でそろって銅メダルを獲得した。



3人は、5年生の村川麻生さん(10)、3年生で妹の星月さん(9)といとこの岩橋ユリアさん(8)で、いずれも同市桐ケ丘在住。姉妹は2年半前から、ユリアさんは1年半前からレスリングに挑んでいる。村川さん姉妹の挑戦は「強くなりたい」「筋肉をつけたい」との思いがきっかけで、2人の背中に憧れてユリアさんも続いた。
通うのは、五輪3連覇の吉田沙保里さんの実家が運営する「一志ジュニアレスリング教室」(津市)。1日2時間、ほぼ毎日練習を重ねる。得意技は麻生さんが「首投げ」、星月さんが「がぶり」、ユリアさんが「タックル」と三者三様だ。大会前は、体重管理にも気を配っている。
麻生さんは今年1月、星月さんとユリアさんは7月の全国大会で3位入り。「うれしいけど、次は優勝したい」と、3人の視線は既に次の舞台をとらえている。試合後には互いにアドバイスを送り合い、勝利への道を探る。
3人の目標は全国優勝し、そしてオリンピックの舞台に立つこと。憧れるのは吉田さんと、パリ五輪金メダリストの藤波朱理さん、世界選手権で金メダルを獲得した村山春菜さんだ。
2つの舞台で力発揮
一方で、3人は伊賀東照宮の舞姫も務める。華やかな着物に花飾りをつけ、扇や鈴を手に約15分間舞う姿は、参拝者を魅了する。奉納は年4回で、次は10月17日の新穀感謝祭に臨む。

最初は緊張した舞も、今では「楽しい」と言えるようになった。人前で堂々と披露する舞は、レスリングで鍛えた強い足腰が支えている。
将来の夢は、レスリングの先生、警察官、救急救命士など、それぞれ思いを語る。舞とレスリングの二つの舞台で磨いた体と心で、3人は前へ進む。
