【8月のコンテストで使ったロボットを手にする市岡さん=伊賀市下神戸で】
桜丘中学校・高校(三重県伊賀市下神戸)では10年ほど前から「DTC部」が活動している。クラブ名は「Digital Technica Craft Club」の略で、ロボットを動かしたり、電子工作やプラモデル作り、パソコンのパーツを集めてスーパーコンピューターを自作したりと、生徒たちが楽しみながら学ぶ、チャレンジングなクラブだ。
全国から生徒が集まる同校には、中等部・高等部合わせ約330人が在籍し、DTC部の部員は約30人。大志寮1階にある「ラボ室」で週5日活動し、顧問の桃谷伊織教諭(48)からのアドバイスを受けながら自分でテーマを決め、さまざまなものづくりに取り組んでいる。
やってみないと分からない
元々あったロボットサークルが母体だが、理系科目が得意な生徒ばかりではなく、興味の範囲もさまざま。「どんなことでも『トライ・アンド・エラー』の繰り返し。やってみないと分からないことを、やってみるかどうかが大事。自分の知らない自分に気付くきっかけになる」と桃谷教諭は語る。
今年8月には、自律型ロボットの国際的なコンテスト「WRO2025JAPAN」決勝大会にジュニア部門で初参加した。メンバーの市岡頼孟さん(中等部1年、京都市出身)は「順位や結果より、周りのチームがどんなマシンを作っているか勉強しに行った」と振り返り、競技で使ったマシンの改善に今も取り組んでいるという。
「一見無駄に思える手間や工程も、決して無駄ではない」と語る桃谷教諭は「DTC部以外にも、やりたいことに挑戦できるクラブ活動がたくさんある。中高6年の間に熱中したいことを探してもらえたら」と話していた。
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