「いがうえの語り部の会」会員 柘植町 植木義信さん(83)

 大学を卒業後、郵便局・近畿郵政局で定年まで、労務調整担当や営業など内外の多くの人たちと関わる仕事に従事。地域では民生委員を6年間務めた時は、県、市、地区の役職を担い、「お年寄りと仲良くなれたのがうれしかった」と振り返る。人と話すのが好きで、語り部として観光客らを案内する姿は年齢を感じさせない。

 京都、大阪など2府4県で勤務し、単身赴任生活は計14年。定年後も兵庫・有馬温泉の「かんぽの宿」で68歳まで総支配人を務めた。その後、「地元に住んでいるのに地元のことを知らないのは寂しい」と、「いがうえの語り部の会」に入会した。

 約50人いる会員の一人として、要請を受けて伊賀上野城や俳聖殿、忍者屋敷などがある上野公園(同市上野丸之内)周辺を案内することが多い。約2キロの道のりを2時間ほどかけて案内しており、「観光のリピーターを増やしていけたら」と目標を語る。

 他にも数年前から、有志10人ほどでつくる「ふるさとサークル」という集まりで寺社仏閣を巡ったり、認知症予防にと川柳をひねって投句したりしている。妻の桂子さん(79)とは4年前に金婚式を挙げており、「今後も夫婦とも健康で仲良く過ごしていけたら」と笑顔で語った。

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