【短野獅子神楽保存会による息の合った二頭舞=名張市鴻之台1で】

 三重県名張市内各地で受け継がれてきた獅子舞・獅子神楽が一堂に会する「なばり獅子フェス2025」が9月27日夜、同市鴻之台1の市役所市民広場で開かれた。2018年以来、7年ぶりの開催で、出演した16団体がそれぞれ迫力の舞を披露すると、会場から大きな拍手や歓声が起こった。

獅子と天狗が相対する南町獅子神楽保存会の演舞=同

 市内各地に伝わる獅子舞・獅子神楽は、伊賀市の敢國神社の獅子神楽(県無形民俗文化財)を基に江戸時代後期から広まり、名張市内には約30の保存会があるとされる。若い世代の担い手が減少するなか、名張をアピールし、伝統文化の継承に関心を持ってもらおうと企画した。

 この日は午後6時過ぎ、かがり火がたかれた会場に集まった多くの見物客を前に、実行委員長で短野獅子神楽保存会会長の中上弘次さん(51)が「こんなに名張市中の獅子舞が集まることはめったにない。盛り上がっていきましょう」と呼び掛け、「集え獅子魂」の掛け声と共にフェスがスタートした。

 円形の芝生広場を囲むように8団体ずつ位置に付き、一斉に舞を披露。出演者は太鼓や笛の音色に合わせ、勇壮に獅子頭を操った。獅子が2メートル以上の高さまで伸び上がるなど、大技を決める場面では、観客から驚きの声が上がった。舞の後は、無病息災を願って頭を獅子にかんでもらう親子もいた。

獅子フェスの会場に集まった多くの人々=同

ばりフェスとコラボ

 日中はコラボイベントの「BALI BALI NABARI fes(ばりフェス)」が開かれた。多くの親子連れらが訪れ、ステージパフォーマンスや屋台などを楽しんでいた。

ばりフェスでのパフォーマンス=同
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