【記者会見で謝罪する伊賀市教委の澤田教育長(右から2人目)ら=同市役所で】

 三重県伊賀市教育委員会は9月22日、市立崇広中学校2年生の1学期音楽科の成績で改ざんがあったと発表した。校長の指示で音楽講師以外の担任教員らが書き換えていた。136人(4クラス)中54人が改ざんされ、5段階評定が引き上げられた生徒が15人、引き下げられた生徒が25人いた。市教委は校長を厳しく指導し、音楽科の担当教員が評価した改ざん前の成績に戻して再配布するとともに、夏休み中に生徒や保護者に謝罪させた。

 市教委によると、成績の改ざんがあったのは三者懇談会前日の7月9日夜で、音楽講師が付けた成績評価の資料に記述が少なかったことや、5段階評定と期末テストの点数に差があったことから「保護者に説明できない」と担任らが校長に相談した。音楽講師は1週間前に資料を提出していたが、担任らは懇談会直前まで確認していなかった。

 成績は「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の観点で生徒の学習状況をAからCの3段階評価をし、それを基に1から5の5段階で評定している。改ざんでは1学期の期末テストの点数だけでなく、本来は対象ではない1年生時の成績も評価に加えていた。

 同校は9月19日に、全学年の保護者を対象にした説明会を開き、改ざんの経緯を報告し謝罪した。校長は「改ざんを指示した責任は大きく、学校への不信や不安を与えることになり、深くお詫びします」と謝罪したという。会見を開いた澤田剛教育長は「生徒に不快な思いや迷惑をかけたことを深くお詫びします。信頼を失墜する行為で大変申し訳なく思っている」と述べ、信頼回復に努めるとした。

- Advertisement -